初書きグロ&カニバ注意





全ては貴方がいけないんです
貴方がそんなにも美しく僕を魅力したのがいけないんです。
それなのに貴方は僕の事を知らないなんて、理不尽でしょう?
だから僕は――





ふと、意識が浮上した。
しかしそこは自分の見慣れた景色では無いと悟る。
はっきりとしない意識の中、彼は暗闇に人影を見付ける。

「起きたんですか?」

思っていたよりも小さい影。声だって声変わりが始まる前かそれ以上のもの。
自身よりも年下なのだろう。だが、自分はこの声の主に無意識に恐怖を感じた。
なぜ自分がここに、なぜ彼が自分をなぜ自分はなぜなぜなぜ

わからない事が恐怖に変わる、そんな感情を初めて知った。知りたくもないことだったがもう、遅い。


「初めまして、静雄さん。
僕の名前は竜ヶ峰帝人です。」

「りゅ、がみね?」

「帝人ですよ、静雄さん。」
竜ヶ峰と名乗る彼は穏やかな口調だが、どこか威圧感を感じ、恐怖を覚えてしまった身体では逆らう事が出来なくなる。

「静雄さん、僕はずっと貴方が欲しかったんです……でも貴方は僕以外を見て、どうすれば僕だけを見てくれるのかどうすれば僕だけのものになってくれるのか……考えたんです。」

彼の思考はどこかおかしい。
そう感じながらも動く事は出来ない。
ただ、震えながら彼の言葉を待つ。自身を解放してくれる事を望みながら

「僕の血に貴方の血を混ぜて一緒にすれば良いんだって思ったんです。」

検討外れな言葉だった。
的を得ている気もするが無理だとわかることを彼は真剣に言っていた。

「だから静雄さん、僕のものになって下さい」

目の前に彼がいる。
恐怖なんて今更。
だが、逃げられない逃げようとしても身体が動く事を恐れてる。

「っあ、や」

首に思い切りかじられ自分から血が流れ出すのが分かる。

「静雄さん、もっと僕に貴方を下さい」

そういって腹部に包丁が刺さりえぐられる。
血が蛇口の水のように勢いよく床を濡らし内臓も姿を見せる。

彼が内臓に舌を這わせる。
感覚など既に無いが柔らかい気がする。

「っか、は」

千切れる音。粗食する音。
自身の酸素を求める呼吸の音や彼の肉を貪る音。
それら全てが重なり、響きあう。

出血量もだが内臓が無くなった為に自身の生命維持が難しくなる。
自分の血で濡れ浅い呼吸を繰り返す。

そうして段々と瞼が重くなる。

彼は内臓を食べ終わったらしくこちらに目を向ける。
「っ、はっ」


命が尽きる前、最後の記憶は彼からの深いキスだった。











8/11 執筆 8/12 修正
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