「ぐぁっ」
「どうしたんですか、静雄さん。僕は貴方が僕の元を離れて欲しく無いんです。」
苦しげな声を上げた彼は自分の左手をボールペンで床に拘束した本人を貫通した激痛からか、顔を歪めながら真っ直ぐと見る。
「お、俺はお前の事がっ、好きだか…ら、離れ何かしな、っ」
「本当ですか、静雄さん。」
帝人の目を真っ直ぐ見つめる静雄に先程まで歪んだ笑みを浮かべていた帝人は笑みが消え悲しそうな顔を一瞬して静雄に見えない位俯いた。
「っ、」
かと思えば彼の手を拘束していたボールペンは抜かれ、彼の手を血が伝う。
「静雄さん、」
帝人が彼の手を取ったと思うと口にくわえられる。
帝人はまず人差し指をくわえ彼の血を舐め取った。
舐め取る仕種は何処か神聖のようなものに感じ、静雄は目が離せずにただぼうっと帝人のすることを眺めていた。
ガリッ 自分の指に違和感を感じると帝人が彼の指を噛んでいる。
静雄から流れ出たばかりの赤いアカイ血がじわじわと彼の口の中に溶けていく感覚を静雄は感じた。
何処か背徳を感じる行為だと考えていると耳元に甘い囁きが響いた。

「静雄さん、もっと僕に飲ませて下さいよ」





8/11 更新
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