理想=ずっと一緒に
現実=若造の戯言
それはわかっていた、はず。
ぶち当たって気付く。二十歳にも満たないガキが望むものなんて全ては絵空事だったのだ。理想よりも空想だったり、もっとまだらなものかもしれない。ああ、あの頃は良かった。旅をして追いかけて追い越して追い抜かされて全てが純粋だったあの頃。若い自分でもそう思うのは本心で、涙がじわりと景色を霞ませる。
トキワの空が橙色に染まる。森の木々が夕日を遮ってまだらな空をつくる。
「会いてぇよ馬鹿」
呟いた子供染みた言葉と頬を伝う涙にまた現実を知る。
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