拒絶愛
『月森くん』
君の声が響いた。
『わたし、あなたの事が嫌いよ』
「…っ」
グサッとくるな。
名前の影は言動一つ一つがはっきりしている。
『どうして私に構うの』
『どうして放っておいてくれないの』
『あなたが居ると、私が壊れてくよ。』
『私の生き方、こわさないでよ。』
『つきもりくん。』
『嫌い、嫌いよ、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い』
「名前…」
知っていた。
君が俺を拒んでいることくらい。
「やめ…」
俺達の前で膝をついた状態で何とか意識を保っている名前が抵抗を始めた。
「名前駄目だ!!」
陽介が咄嗟に前に出ようとするが、それを制止する。
「俺が一人でやる。」
俺はそう仲間に言って、名前の言葉を待った。
嫌われていても、俺は一途に君を想っている。
だから、いつか、俺のことを好きになってほしい。
そんな願いを込めて、
「イザナギ!」
君を受け入れよう。
2011.09/17
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