「私跡部と出会えてよかったよ」
私の突然の言葉に跡部が珍しく目を見開いて固まった。
「急にどうした」
「いや、急に言いたくなって」
珍しい跡部の行動にクスリと笑う。
「お前がそんなこと言うなんて珍しい」
そうか、と呟いた後、いつも通りの口調に戻った跡部。
「ただ、今日は跡部の誕生日だからさ、少し言いたくなっただけ」
跡部に笑みを向けて話すと、
「ああ、そういえば」と今思いだしたかのように跡部は返した。
「跡部、お誕生日おめでとう。これからもよろしくお願いします」
「ああ、田内もな」
お互いに小さく笑みを向ける。
「俺も田内と出会えてよかった。勉強をしている田内も、仕事をしている田内も、悔しくて悲しくてつらくて泣いている田内も、笑っている田内も、どんな田内も俺にとって大切だ。全て受け止めてやるから、これからも俺についてこい」
私は本当に跡部に出会えて幸せだ。