それから跡部くんと目が合うことはあまりなくなった。

「それって興味がなくなったっていうことじゃない?」

「・・・」

「あー、みょうじさん、寂しいんでしょー?」

「・・・寂しくありません」

保健室で暇をしていた先生に話した私が馬鹿だった。はぁっと息を吐き出す。もう動揺することもないし、安心して廊下もあるけど、なんだかぽっかりと穴が開いたようでちょっと、・・・ほんのちょっとだけ寂しかったりする。けど、まあ、今まであったことが急になくなったから寂しいだけで、前に戻っただけですぐに元に戻るだろう。

「あっ」

先生が小さく声を上げたため、首を傾げると「窓の外見てみて」と窓の外を指した。言われた方向に目を向ける。

「あ、」

テニスコートで跡部くんが立っているのが見えた。黄色声援が聞こえてくる。ああ、そういえば跡部くんは生徒会長で、あのテニス部の部長だったなぁーと思いながら、ぼーっと見つめる。ポイントを決めた跡部くんが一瞬こっちを見た気がしたけど、すぐに視線は戻された。その姿を見て床に視線を落とす。

そんな私を見て、目の前にいた先生は私の頭を撫でた。





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