初めについた嘘
それは休み時間の友だちとの他愛ない話だった。
「このクラスで一番かっこいい男子って誰と思うー?」
「えー、やっぱり仁王くんでしょ」
「いやいや、鈴木くんじゃないのー?」
お昼休みお弁当を食べていると、一緒にご飯を食べている友だちがそんな話を振ってきた。
「確かにサッカー部は強いよね!サッカーしているってだけでポイントアップみたいな」
「高橋もよくない?あの前の球技大会でスリーポイント決めた瞬間とか半端なかった」
「ちょっと顔の話じゃないの?イケメンといったら仁王くんでしょ」
「けど、イケメンって性格もでしょ?性格もよし、顔もよし、といったら丸井くんじゃない?」
「いや、鈴木くんでしょ」
「あんた鈴木くん好きだねー」
ジュースを啜りながら、そんな話を繰り広げている友だちの話を聞いていた。
「なまえは誰と思う?」
「えー、私ー?」
「やっぱり鈴木くんでしょ」
「顔だけならダントツ仁王くんでしょ」
「あんたどんだけ顔プッシュなの」
「だって、すごい仁王くんって中学校の時からモテてんじゃん」
「あー、確かに」
「で、なまえは誰?」
「んー、私は・・・イケメンだったら丸井くんかな」
「ほら!総合的に言えば丸井くんじゃん」
「丸井くんはアイドルじゃん。だけど、イケメンの分類じゃない!可愛い系だよ!」
「そうそう、イケメンは鈴木くん」
「いや、仁王くん!」
「あんたたちどれだけ2人をプッシュしてんのよ」
そんな学生なら一度は話題に出る話
誰誰がかっこいい、かわいい、好き、そんな誰もが一度は話したことのある他愛のない話
こんな話をしたことなんてその時にはすっかり忘れてたし、話を振られた時には何を言っているのかわからなかった。
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