その自信はどこから来るのか 「跡部さんの色って悲しい色ですね」 そう言った彼女に作業の手を止める。 「あーん?何がどうなってそんな発想になるんだ」 ペンをデスクに置き、彼女に目を向ける。 「だって、夕焼けと同じ色じゃないですか」 彼女が指した俺の後ろに視線を動かす。 背にしていた窓からオレンジ色の光が生徒会室を照らしていた。 「俺は夕焼けと同じ色ってわけか」 「髪の毛が綺麗に光っていたので」 「ほぉ」 成程 「夕焼けは悲しい色っていうわけか」 「そうじゃないですか」 一日が終わるし、暗くなるし― そう夕焼けについて語る彼女にフッと口角をあげた。 「お前、夕焼けに何かつらい思い出でもあるんじゃねえの」 「は?そんなのありませんよ、ただ一般的な考えからしてですね」 冗談を本気で返してきた彼女に バーカ と返す。 「この色はそんな色じゃねえんだよ」 「え」 立ち上がり窓枠に手をかける。 「明日を迎えるための光だ」 俺の色にぴったりだろ? 彼女のほうに顔を向けると、彼女は一瞬目を見開いた後、目を細めて笑った。 「なんですかそのドヤ顔、イラッとします」 「あーん?」 「けど、確かに跡部さんにぴったりの色ですね」 |