02

「うわ、きっも」

「お前先輩に対して失礼やぞ」

「いやだって、あれはキモいでしょ」

「まぁ、俺も否定できんけど」

「まあ、それほど幸せってことでしょ」

「リア充爆発しろ」

「うっわー、俺爆発しそう」

「してしまえ」

田内さんと初めてのデートを取り付けた俺は部室で爆発しそうになっていた。うっわ、ほんまあかん。田内さんを1日独り占めとかたまらん。どないかなってしまうんちゃうか俺。いや、どないかなってしまったらアカン俺。とりあえず、落ち着かんと!と思っていたが、全然収まることなく、初デートの日を迎えた。

デートにきた彼女はワンピースにジーンズ生地のジャケットを羽織っていて、うん、なんていうか女の子っていうか、うん、めっちゃ可愛かった!いや、前も私服は見たけど、初デートでっていうのが、初デートっていうのがめっちゃトキメキポイントで、デート始まって早々俺の胸が躍り始めた。これ、最後まで俺持つんやろうか。いや、持ってもらわんと困る!せっかくの田内さんとの時間がもったいない!

とりあえずランチを済ませ、何店か買い物に回った後、一休みにワッフルで有名なカフェに入った。イチゴと生クリームのワッフルを前にした彼女はとても嬉しそうで、大きな口でワッフルを口に含んだ。見ているだけでそのワッフルがおいしいのがわかる。・・・はぁ、俺もワッフルになりたい。食べられたい。・・・はぁ。思わずため息をつく。
そんなあほなことを考えていると、ワッフルを食べていた田内さんの手が止まる。どうしたのか聞くと、俺がため息をついたから疲れたのかと思ってと。あかんあかん、勘違いさせたなと思って、田内さんが幸せそうだから俺も嬉しくなったんやと伝えると、彼女は何言ってるのと言いながら顔を赤くさせた。あかん、俺、幸せすぎてなくなってしまうんちゃうか。

「なつ」

再びワッフルを幸せそうに食べている彼女を見ながら名前を呼ぶ。その声に目を大きく開けて止まっている彼女にもう一度名前を呼んでみる。すると、彼女は下唇を軽くかんで下を向いてしまった。ああ、ほんま俺の彼女は可愛いな。肘をついて彼女を見つめる。これだけで何時間か過ごせる気がする。嬉しさが込み上げすぎて、顔が緩むのを気にせず彼女を見ていると、彼女が勢いよく顔を上げ、睨むように俺を見た。

「く、蔵ノ介くん」

睨んでいるといっても顔は真っ赤で恥ずかしさを隠しきれていない彼女の言葉に次は俺が固まる番だった。

え、今、なんて...

しばらくして、照れて破顔した彼女を見た瞬間、俺はほんまに爆発した。

「・・・それは、あかんやろ」

両手で顔を隠して悶える。

ほんまなんやねんこの子...

俺をどんだけ悶え死にさせるつもりや。手の隙間から彼女を見ると、彼女はそんな俺を見て笑っていた。なんやこれほんま...

「っ、なつ、愛してんで!」

テーブルの向かい側に座っている彼女に意を決して言うと、次は彼女が照れる番だった。



ああ、もう!店員さん!この子テイクアクトでお願いします!


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