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「なんだかんだ言ってなつと白石くんってお似合いだよね」

「どこが」

友だちとお昼ご飯を食べていると急に白石くんの話になった。

「だってさ、あんな白石くんをうまく操っているっていうか」

「子犬の飼い主って感じ」

「それって褒めてるの?」

メッチャ褒めてるし!という友だちに疑いの目を向けた後、大きく息をついた。
あれから正式に白石くんと付き合い始めたのだが、それから白石くんの豹変っぷりといったら目を疑うほどだった。そりゃ、まぁ、前からそんな感じはあったのだが、まさかあんなにも頭の中がピンクだったとは!正式に付き合い始める前はクールだなと思いながら、優しいカッコいい白石くんだったが、付き合い始めてから必要以上にくっつきたがるし、ニコニコしてる(というか、ニヤニヤに近い)し、時々人前ということを忘れてキスしようとしてくるし、というか2人になったら何をしてくるかわからないから、2人っきりにならないように気を付けている。そりゃ、ね、優しいしかっこいいのはそうなんだけど、今までの白石くんはクラスでもかっこよくて優しくてとても人気者だったけど、今はそのイメージが崩れたというか、皆にはいつも通りなんだけど、私と居たら性格がどんどん変わっていくから、私だけでなくて、それを見ている人たちの白石くんのイメージが崩れていっている。「あんなの白石くんじゃない」っていう人もいれば、「白石くん可愛い!」って言う人もいたりして、白石くんのイメージダウンっていうのか、イメージアップっていうのかよくわからないけど、私たちの中の白石くんが変わっていっているのは確かだ。

「なつ」

そして、白石くんは今私の前にニコニコして座っている。彼の方にどうしたのか視線を向けると、さらに嬉しそうに頬を緩ませた。それをみて思わず私も頬を緩ませる。

こんな風にいいながらも、なんだかんだ言って、私はそんな彼が好きになってしまっているのだろう。


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