02

田内さんと話して別れたその日はとてつもなく落ち込んでいた。そりゃそうやろ。好きな子に距離を置かれるんやで?考える時間ってどういうことやろ、別れるってことやろか?そんなん嫌やねんけど。いや、まあ、あれは俺が悪かったと思う。距離を置かれるのも仕方がない、いや、嫌やねんけどな、やっぱり嫌やったんかな、俺どうしたら、

「白石―、どないしたんー?」

金ちゃんが俺のとこまでやってきて、いつも元気な声が心配そうに聞いてきた。

「どないもないで?」と頭を撫でると「嘘や−、大丈夫そうに見えへんでー」と頬を膨らました。金ちゃんにまで心配されるってことは、他の奴らにもばれているってことやろな。そんなわかりやすかったやろうか。あかんな、部長がこんなんやったら。

「よっしゃ、あともうちょっとで終わりや。皆頑張りや−!」

大きく声を張り上げて、気合いを入れた。
その後数日、田内とは挨拶ぐらいでほとんど話すことなく過ごした。せやけど、視線は自然と彼女を追っていて、そのたびにため息がでる。田内さんと話したいな、せやけど、あんな話をした後に話しかけに行くってちょっとしつこいやんな。今何を考えてるんやろうか、なんて別れようかとか?あかん、そんなこと考えよったら余計落ち込んでくる。それともまったく違うこと考えてるんかな・・・。それはそれで落ち込む。あかんな、どんどん気分が沈んでくる。机に肘をつきながら、大きく息を吐きだす。

・・・これ、後何日続くんやろうか。


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