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白石君と付き合うことになって4日目。

結局ネックレスは家に帰ってこっそり付けてみた。男の子からプレゼントをもらうなんて初めてやったから、付けて鏡を見ていたら少し胸元がこそばゆかった。けど、さすがに学校につけていくっていうのは恥ずかしくて、付けずに行ったら、朝一に会った白石君に「そこは付けてこな」と言われた。けど、まぁ、家で付けたことを言ったら、「今度付けて来てな」と満足そうに言われたから、セーフと思っとくことにした。
 4日間白石君と一緒にいて思うことは、彼は私が思っていた印象と結構違うということだ。白石君に憧れる女の子なんてこの学校にはたくさんいて、今まで多くの女の子に告白とかアプローチとかされてきたと思う。確かに女の子に対する扱い、というか私に対する扱いはさすが慣れているなと感じる。一つひとつの言葉とか態度はスマートで、男前で、白石君のノリにうまいこと私を乗せてくれるから、一緒にいててとても感心する。だけど、手を繋ぐ時とか、友達の男の子にからかわれたりした時、少し顔を赤くしながらハニかんで照れていて、意外だなと感じたのだ。白石君のことだから、からかわれても堂々としているのかと思ったら、「ユウジ、うっさいわ」と耳を真っ赤にして一氏君から逃げるように私を引っ張っていった。私の今まで思っていた白石君はノリがよくて、いつも落ち着いていて、どんな時でも落ち着いているイメージがあったから、最近白石君といて、白石君も案外普通の高校生なんだなぁと思った。

『・・っ、』
 
「っと、大丈夫か?」

と、少し前を歩く白石君を見ながらそんなことを考えていると、何もないところで蹴躓いた。白石君がこけかけた私に気づいて、とっさに助けてくれたからこけなくて、危機一髪。

『あ、ありがと』

「はは、どういたしまして」

体勢を立て直しながら彼にお礼を言うと、目を細めて微笑まれた。こういうのは慣れているのか?基準がよくわからないなぁ。

「というか、ここ何もないのにこけたん?」

何か考えとったん?とからかってきた白石君。
さすがに白石君のことを考えていてこけてしまったとかそんな恥ずかしいことは言えなくて、ぼけーっとしててと誤魔化して答えた。

田内さんって案外おっちょこちょいやねんなぁと笑う白石君に、こんなこと滅多にしないし、と言ったものの、「ええって、ええって」と受け入れてもらえなかった。うわ、私普段からこんな子と思われたら嫌だなぁ、と少し落ち込む。

「まぁ、また、こんなことがあっても、俺が助けたるから」

いつでもこけてやぁ、と私を見ながら悪戯に笑う彼から私とは違う男の子の雰囲気を感じた。





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テーマ「人外ファンタジー」
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