アヤ達がどうぶつの森やる話
※拍手お礼小説
名前変換なし
「オンラインのみなさーーーーん!!!!」
「「「はーい」」」
なんてアヤが号令するとヘッドフォンの向こう側からそれぞれの声が聞こえてくる。(約一名返事してないが)
通信機器のその液晶画面、チャットアプリを開いてそこに表示されている名前はヒカリ、ルビー、ダイゴ、シロナというとんでもメンバーだった。
世にも奇妙なそのとんでもメンバーは意外にも今流行りのSwi〇chを持っていて、尚且つまた今流行りのゲームソフトを持っているメンバー達だった。
事の発端は、アヤが暇つぶしにとゲームで遊んでいる時にポケモンセンターで偶然にも見かけたルビーがお疲れ様です、と声をかけ「それ、面白いですよね。俺もやってますよ」なんて言ったのが始まりである。
そして芋づる式に「ヒカリも確かこの前やってましたよ。ひとり遊びの神みたいなもんですからねアイツ」「え!そうなの!?今度3人でやろうよ!」「いいですね!後でグループチャットで話しましょう」「あ、そう言えばシロナさんとダイゴさんもやってるから2人も誘ってみるね!」「(…………ホウエン地方と、シンオウ地方のチャンピオンが……ゲーム?)」なんてのがこのメンバーが集まったのが理由である。
そしてシロナとダイゴを誘うと意外にも二人ともノリノリでやろうやろうと笑顔になり、今に至る。この2人、童心を決して忘れないオトナです。
今回はアヤの島にみんな大集合するつもりで、先にアヤが島の空港を開くとぞくぞくと揃う各島の住民達。
その中で特に異彩を放っているのはとある3人だった。
「(やっ、やっぱり……何となく分かってたけど……)」
「(予想通りというか…彼らの精神を具現化したような感じね……)」
ルビーとシロナは手元の液晶を見て同時にそう思った。
ルビーとシロナの住人は普通の、至ってオシャレな住人。
彼らは、センスの塊であるはずだ。
「ヒカリ、そのTシャツなに?初めて見たんだけど」
「森Tシャツ」
何でそれをわざわざチョイスしたの!?
他にもあるだろ他にも!!
「で、ダイゴ…あんたのそのマイデザの服はなんなのよ…」
「え?みんなに手っ取り早く石は最高だってPRするにはこれが1番だと思って…」
「さすがに大きく《石》って書いたマイデザタンクトップ1枚にパンツ一丁はマズいと思いますけどね…」
「え!!?なんで!?余計なズボン履くとせっかく作ったマイデザが霞むでしょ!?」
ダメなの!?
とショックを受けるダイゴにルビーは思った。
この人はブレない。寧ろ関心してしまう。センスというか、願望が具現化したような感じだった。マジで期待通りだった。
最後にだいぶ期待してたアヤにルビーは向き直ると控えめに聞いた。この人はセンスの塊のはずなのになんでこうなった。
「…あの、アヤさん。なんで…こうなったんですか」
「マッスルスーツに能面なんてたぬき商店に並ぶのね。私初めて見たわ…」
「えっと……推しに初めて貰ったプレゼントがこれで…着ないのも可哀想かと思って……」
「「((許す!!!))」」
ルビーとシロナは苦い思いで同時に唇を噛み締めた。
にしても3人とも酷い格好だ。ダサい。ダサすぎる。一番軍を抜いてヤバいのは多分アヤだが、彼女は仕方がないと思った。(変態と変人度合いが高いのはダイゴだが)誰だか分からないがもう少しマシなプレゼントをあげる選択肢はなかったのだろうか。
ひとまず全員揃ったところで、アヤの島を見て回ろうと空港から歩き出したところで、ひと目でその島が異様だと気付いた。
「ねぇアヤさん!何で金の木しか植えてないんですか!!島一面金の木しかないんですが!?」
アヤは一応、センスはいいはずだったが?
アヤの島は一面金の木だらけだった。
財宝の島みたいになっていた。ぶっちゃけそれしかない。
「アヤちゃん…もう少し……こう、女の子らしい島を……」
「あはは…住民が可愛くて家具とか貢ぎまくってたらお金が無くなっちゃって…借金だけ残っちゃって……」
「「((許すッッ!!!!))」」
ルビーとシロナは苦い思いで唇を噛み締める。
その後帰る間際にアヤ以外の4人は大量に金の木を植え、金袋をこれまた大量に島に残して帰るのだった。
(因みにヒカリは手持ちがなかったが偶然釣ったサメ10匹を換金して島に置いて来た)