大幹部様



ポカポカと暖かい太陽が空に輝いている。

今日は比較的暖かい方で雪も降っていない、正に絶好の洗濯日和だろう。サワサワ弛い風がとても気持ち良くて寝てしまいそうだ。一人ゴロンと緑の芝生に寝転がって目を瞑る。
隣に寄り添う様に丸くなって眠るサンダースも大変リラックスしているみたいだ。空にはフワンテやアゲハントが優雅に空を舞っていて本当に今の時間が平和である。

あぁ、平和だ。何て平和なんだろう。元々体を動かす事が好きな自分にとって、ずっと机に向かうなんて事は自分にはキツい事だ。精神地獄である。
それにたまにはこんな息抜きも良いだろうし、あんまり仕事仕事じゃあ流石のボクでもグレる。


頭をフルに働かせた脳は熱を持ってる感じがしてシンオウの冷たい風が今は気持ちが良い。



「あぁーもう最高だ…。これで隣にレッドが居れば更に文句無いよー…いつもあんな鬼さんが見張ってる室内で仕事するとか精神イジメだよ。苦痛だよ。あぁー今が凄い幸せぇー…」

「へぇ、それは良かったですね。その鬼さんとはわたくしの事でございますの?」

「ぎゃぁあああああマリリンさんッッーーー!!!!??」



突如聞こえて来た声は常日頃から聞いてきた鬼さんの声だ。
我ながら凄いと思う反射神経だ。
ガバ!と起き上がったと同時に寝ているサンダースを抱き抱えて十メートル以上間合いを取る。そこには予想した通りの人物が居た。

五十代のお婆さん。上等なドレスを纏い長い白髪を高い位置でまとめて結われた、見るからに貴婦人な人。ニコリと笑うと年代故の美しい笑みが見られる、そのグランドフェスティバル鬼の大幹部ことマリリンさん。



「まったく、貴女って人は何も言わないで出て行くんだから!出る時は一言言いなさい。それに仕事はどうしたのです。まだ終わってない筈でしょう」

「ごごごめんなさいごめんなさい」

「ごめんは一回で結構です。………ってコラ!逃げるんじゃありません!戻りますよお馬鹿さん」

「うぇえええええん嫌だぁぁあああーー!!ヘルプレッドォオーー!」

「貴女はいつもレッドさんレッドさんと……どんな方かは知りませんが、いい加減にしないとシロナに言い付けますよ?」

「勘弁!!」

「ならさっさと部屋に戻る!さあ早く!早くお行きなさい!わたくしは終わるまでちゃんと見張っておきますからね!」

「鬼マリリンさんなんて嫌いだー!い、痛い痛い痛い痛いあああああ助けてレッドォォォ」



レッドさんが恋しい少女



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