act.88 あの時のチュリネ達は





平凡な毎日を送っていたはずだった。

仲間達は大勢いるし、姉妹も両親も仲が良い。加えて狭い迷いの森というテリトリーの中、他種族のポケモン達とも、取り分けモンメンやエルフーン達とは特別仲は良かった。食料には困らない。木の実や河原、湖があるからだ。

けれど、それがいつからおかしくなったのだろう。

詳しくは覚えていないが、きっと半年程前からだったような。

いつもと変わらない森に、夜な夜な歌が聞こえてきたのだ。
人の声のような、どこか寂しくて、無機質な声。

そこからだ。

力のない幼体であるポケモン達が少しずつ、少しずつ姿を消して行ったのは。

初めは気付かない程度の、僅かな違和感。

しかしそれは確信となってこの森の誰かが不必要に生態系を壊している事がわかった。外部からの乱入者の場合はもっと周囲が殺気立つからだ。

この森のポケモン達は皆良心的だ。加えて仲が良い。

けれど森のポケモン達が仲は良いと言っても、所詮は野生同士。生存争いも勿論ある。強いポケモンに幼体のポケモンが殺されたり食べられたりするなんて野生の中では特別、珍しくもない。だから群れの中から忽然と姿を消すなんてこと、そうそう騒ぎ立てることでもなかった。

今日も歌が聞こえる。

まだ、日中だ。時々夜中に聞こえるか聞こえないかくらいの歌だったのに。それは昼間の活動時間になっても時折聞こえるようになった。


そこから程なくして、進化前の幼体であるポケモン達は瞬く間に居なくなっていった。


『気を付けろ』


と。仲間達や親、姉妹、他種族のポケモン達に緊張した声で言われたのを覚えている。いつの間にか危険地帯と変わり果てたこの森で、何が起きているのかは分からない。ただ、もうこの場所に留まり続けるのは命の危険だと、皆がそう判断した。

しかし場所を移動するのもかなり大変で。

元々住処としているポケモン達の縄張りに入ることは、喧嘩を売るようなもの。
最悪、獰猛な性格の種族ならそのまま殺されかねない。しかも自分達チュリネやモンメン達は戦いに秀でた種族では無い。

出来れば原因を取り除ければそれがいいと思っていた。

他の種族も万丈一致して結論が出た。正体を確かめて、原因となるポケモンを森のポケモン達で一斉追放しようという話が出た。この森の生体環境を壊すくらいのポケモンだ。恐らく強い個体だろうから、全員で。

反論は勿論なかった。

しかしどうしていきなり生態系を壊すことをしでかしたのか。

食料に困ることもない。

自分の命を脅かすこともないはずだ。

何が不満だったのか。



その理由が、「私」は知りたい。



なのに。
 
それなのに。

これは、いったいなに。




「ブツッ、ガッガッ」



チュリネの眼前には仲間達の食い荒らされて骸に変わり果てた姿があちこちに転がっていた。今も尚喰い続ける暴食者であるポケモンは、森の主であるペンドラーだった。その巨体で仲間達であったものを踏み潰し、砕き、飲み込んで栄養となって。

姉妹や仲間達といつもの寝床に戻ろうとして、ソレは居たのだ。

住処に居たのはペンドラーで、家族や仲間を暴食の限りを尽くしていた。家族や同種族の仲間だけではない。近場に居て仲が良かったモンメン、エルフーン達も既に骸になっていた。……自分にとって大切なもの達だった。いつだって穏やかで、優しい家族や姉妹、仲間達だった。はずなのに。

ガツガツと汚く食を進めるペンドラーの姿を見て、一目見てわかった。森を脅かしているのは、コイツだ。けれどこの森の主であるペンドラーはここまで獰猛でもなかった筈だ。ペンドラーとは話したこともない。関わりなんてなかったけれど。自分に危害さえ無ければ無害なポケモンだったはずだ。

ペンドラーは以前見た大きさより遥かに肥大化していた。

最後にペンドラーの姿を見たのはいったいいつだったか。普段は森の奥底を寝床にしているからそんなに姿を見ることはなかったけれど。しかしここまで体が肥大化するものなのだろうか。



「チュ………チュリ…」



か細く呼吸が漏れた。なんだろう。この匂い。嗅いだことがある匂いだ。植物の汁臭い匂いと一緒に、鉄のような匂いが僅かに鼻についた。

人間の血の匂いだ。

まさかこいつ、人も食べたのだろうか。ポケモンだけでなく人も食べるなんてもう見境なく襲っているのだ。理性なんてない。何故こうも食に歯止めが効かないのか。暴食を続けるのか。理由が知りたいとは前々から思っていたけど、聞くだけ無駄。想像するだけ、無駄。身の危険をひしひし感じる。残った仲間達や兄妹が排除するべく一斉に攻撃するがペンドラーには大してダメージはない。虫に刺されたかのような、そんな。



「ギィッッッ」



パキッと何かが軽く折られた音がして、隣にいた妹のチュリネが掴まれた。そして頭から砕かれて食べられていく。

ああ、駄目だ。これは。

ブチブチ引き千切る音と球根を砕くような鈍い音がして。その口から植物が損傷した時のように、液体が破裂するように飛び散った。次は自分だ。体を締め付け、折る勢いで掴まれて、頭の葉を齧られて下半身を無くして、あまりの激痛故に絶叫した。



「みつむし、あそぼう」



目の前が真っ暗になって、途端に脳裏に古い映像のようなものが流れた。

ザザザ、と所々記憶は途切れては繋がり、途切れては繋がり。

そこの脳裏の映像には小さな人間の子供が目の前いっぱいに映し出されて、自分の体を抱きしめている。茶色の髪に蒼い瞳のその子は輝かんばかりに笑っていて。



「みつむし」



そうして、映像が切り替わった。

壊される室内に、泣きながら逃げ惑う子供に。

必死になってその子供を守る、自分。

何から逃げて、守っているのかは分からない。

けれど体の底から沸き立つ恐怖心や、吐きそうな程の緊迫感を覚えている。

逃げる最中、ワタッコと思わしき残骸が体毛である綿を散らして転がっていた。狭い室内に追い立てられてこれ以上逃げきれない事がわかって、わかって。

守りきれなくて、迫り来る脅威を跳ね返せずその子供の目の前で躰を食い破られ咀嚼されて。


映像はそこで途切れた。



―――そこから、記憶が曖昧だ。

ぼんやり覚えているのは人間の少女に抱かれているのと、気味の悪い歌がずっと耳元で響いているのと。あれ、……そういえば何だかどこかで見たことがあるような、女の子だ。



「死なないで」



その子に懇願するようにそう言われたのと。


体の全神経が剥き出しになったかのような激しい、尋常ではない痛みと苦痛を伴う中、ギリギリ意識を保っていた。自分は助けられたのだろう。こんな状態で。何で助けたの。こんな体になってしまったら、もう野生の中ではとてもじゃないが生きてはいけない。こんな激しい痛みになんてそう何時間も耐えたくは無い。早く死んでしまった方が楽なのに。

介入せずに放って逃げればいいのに。

朦朧とする意識がブツリと途切れるまで。あの時の自分は、そう思ったのだ。




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「チュリ、」



次に目を開けた時、視界に入ったのは見慣れない機械と野生では考えられない暖かい寝床だった。小さなガラスケースの中で目覚めたチュリネが次に見たものは天井から差す太陽光。眩しくて、でも心地が良い。もそもそと動き体を起こすと、ガラスケースの外側から丁度癒しの波動を送っていたハピナスが吃驚して手を止めていた。『目が覚めたわー!』と大きな声を上げながらハピナスはどこかに走り去ってしまったが。



「………?」



あれ?ここはどこだろう。そう思うのに時間はかからなかった。

今のは、ハピナスだったような。

ハピナスは迷いの森では生息していないが時々、トレーナーが手持ちに入れているのを見たことがある。狭い閉鎖された森の中では森に訪れる人間達だけが、外の情報を得ることができる貴重な存在だ。人間達の住処にはポケモンを治療する施設があり、誰でも無償で受けることができるとトレーナー持ちのポケモンから聞いた時は俄には信じられなかった。無償なの?本当に?野生ではまずありえない。何か自分以外に願いを頼むなら必ず交換条件を出されるのが当たり前だ。それなのに、無償。人間って太っ腹なんだなぁ、なんて思っていたのが懐かしい。

何となく、ここがどこであるのかも、自分だけじゃなく数多あるガラスケースが何なのかも。敵意も全く無いし、中には傷ついたポケモンが中で警戒なく眠っているのを見てチュリネは何となく察した。ここがポケモンを無償で治療する施設なのだと。

そして治療を施された結果なのか。ブランケットという暖かな布に包まれた自分の体は、何も無かったかのように全てが元通りになっていた。



「……?」



元通りって、何。



「……、…、…???―――…!」



ああ、そうだった。

そう、だった。

気を失ってしまう前の出来事が津波のように思い起こされた。

森で何があったのか、今一度思い出す。蹂躙されていく仲間達に噛み砕かれる体。

有り得ない。

頭の葉っぱだけならまだしも体の半分以上を食べられて失ったはずなのに。生物が生きていくにはとてもじゃないが生命維持ができる状態じゃなかった。いくら治療に優れている人間の技術でも、失った体を復元、再生なんてそんなことができるとも思えない。

それなのに無くなった体は再生している。元通りになっている。

どこも痛みは既になかった。

生きてる。

……生きてる。



「まあチュリネ、良かったわ!目が覚めたのね」

「チュ……」

「よくあの状態から再生できたわ。頑張りましたね…流石、草タイプのポケモンだわ。いえ、…普通なら、助かるはずがない程の重篤だった。奇跡だわ」



目を覚ました事に気が付いた白い服を来た人間が、それが後にジョーイというポケモン専門医であるということをアヤから教えて貰うのはもう少し先だが。

綺麗さっぱり元通りになったとはいえ、やはり疲労感があり重い。

呼吸も苦しい時もあるし、身体中怠い時もある。ジョーイやラッキー、ハピナスに代わる代わるお世話されて数日かけて全回復した頃には、これまた見たことの無い黒髪赤目の青年がハピナスに連れられて自分の前に現れては「体調はどうだ」と聞いてきた。チュリネはビビった。今まで見たことないくらいに容姿が整った綺麗な人間の男だったからだ。え?自分?自分に言ってる?誰なのだろう、と疑問が頭に着くが素直に青年の問に恐る恐る答える事にした。



『え、あ…あ…の、だいじょうぶ……よくなりました…』

「息災で何よりだ。さて、行くぞ」

『……?ど、どこに』

『キミを助けてくれた子の所に』



そう青年以外の声が聞こえる。人の声ではなく、ポケモン特有の声。

辺りを見渡しても声の主だと思われるポケモンは誰もいなかったが、すぐに青年が持っているボールの中からの声だとすぐに分かった。静かな、けれどハッキリした声だった。彼がポケモントレーナーだということはわかって、そこで初めてチュリネは“自分を助けた女の子”の存在を思い出した。

そうだ、そういえば。死の境目を経験したから自分の事で精一杯で、すっかり今まで忘れていたが自分を助けてくれた人間の女の子がいたはずだ。
あのとき。そうだ。体を半分程食べられた時に人間に助けられた。野生のポケモンなんぞ放っておいて逃げるべきところを、わざわざ助けてくれた物好きな人間。顔はよく分からなかった。視界が霞んで、もうほとんど何も見えなかったからだ。

今まで経験したことの無い痛みで苛まれ、今すぐ手放したい意識の中、自分を抱える腕が震えていて極度の緊張からか細く呼吸を繰り返していたのを何となく覚えている。

なんで今まで忘れていたのだろう。



『(お礼を、言わなきゃ)』



言うなればその人間の女の子は命の恩人だ。
家族や仲間は全て食われて死んでしまったけれど。



『……………』



そう。もう住処へ戻っても誰もいないのだ。親も兄弟も、あの近辺に住む友達も。
今更森へ戻るのは怖い。私ひとりになってしまう。

ひとりは、嫌だ。



『あ。その子は怪我は……』

「森では怪我はしていない。ただつい最近まで体調崩して寝込んでたけどな」

『え?』

「……何か?」

『え、いえ、あなた、私の言葉が』

「……なんだお前。あの時森に居たチュリネの仲間じゃないのか?」

『………?』



誰に言うでもなくひとりポツリ、呟いた言葉を青年…レッドは拾った。なんてことは無い。彼からしてみれば当たり前のように答えただけだ。しかしチュリネにとっては衝撃的だった。人間がポケモンの言葉を理解するなんて。と。

どのチュリネのことを言っているのか知らないが。自分はこの青年の事は知らない。会ったこともない。それにもう、自分の仲間達であるチュリネは“全滅した”はずだ。あの迷いの森のチュリネとドレディアという種族は一箇所に固まって生活している。そしてあの場に居た家族は、あの時に全て根絶やしにされたのだから。あの時間、あの場所には住処に居た家族達と、食べ物を分け与えて貰う為に違うエリアに移動していた姉妹達。そして帰ってきた住処で待ち構えていたペンドラーに残りも生きたまま喰われて死んで行った。生き残りは自分一匹だけのはずだ。



「…ピカチュウを連れたポケモンの言葉が分かる人間がいるって言うのは、野生の中で噂として流れているだろ。お前の仲間かは分からないが迷いの森のチュリネの群れに森がおかしいからと助けを求められたから、助けた」



ーーと、レッドはそう言うが実は少し違う。

それは建前みたいなもので、本当はアヤを探しに森の中を散策して、そして問題のペンドラーが彼女に害をなそうとしていたから駆除した。決して迷いの森…チュリネ達の約束の為ではなかった。たまたま、成り行きである。まあそれだけだったが当初の目的は一緒に果たされた。

生態系を狂わせていたのはペンドラーと、その他の虫ポケモンだった。

それらはもう討伐したのだから少しずつ元の森に戻るだろう。

あ、とチュリネは思った。そういえば、そんなことを聞いたことがあった気がした。
困ったことを頼めば助けてくれる人間がいると、ポケモンの言葉が分かる人間がいる。そんな自分たちに都合のいい存在が本当にいるのだろうかとも思っていたが、本当に存在していたとは。

死ぬ直前に助けられて、もう助からないだろうと思った命が体が再生したことで繋ぎ止められて、そしてこの半年の間に森が大きく変わった根源でもあるペンドラーを噂の人間がこうも意図も容易く討伐し、場の鎮圧をしてしまった。



『(わたしは、なんて運が良いのだろう)』



いや、正しくは運が良かった、だ。



「心配してる。…怖い思いして必死になって助けたんだ。顔、見せてやってくれ」

『はい、勿論です』



助けてくれた女の子は、視界が霞んでいたから顔まではしっしり覚えていない。

けれど、茶色の髪は覚えている。



『あの…その子の名前は』

「アヤ」

『アヤ、』



アヤ。

アヤ。



―――“アヤちゃん”



『アヤ、………アヤ、ちゃん』





「みつむし、みつむし」



うん、なぁに。

わたしのこと、呼んだ?

なぁに、なぁに。


―――アヤちゃん、




『アヤちゃん、』



なんだか、懐かしい響きだった。

………何だろう。あの時から、変な夢を見る時がある。起きたら大抵忘れてしまうけど、今少し思い出した。その夢を見る時は、必ず女の子が出てくる。怖い夢ではない。夢で見る女の子は大半笑顔だったから。

そして。



「…………あッ!?キミ、あの時のチュリネ!!?」



改めて見た“アヤちゃん”という子は、可愛らしい綺麗な女の子だった。



「…チュリ…、」



茶色の髪に蒼い瞳。

夢で見た幼子に、そっくりだった。

いや、語弊がある。あの幼子が成長するとこんな感じになるだろうな、と想像しただけの事だ。何よりも目を惹いたのは深い海のような、星空を泳ぐようなそんな綺麗な瞳の色。表情は明るくて一目見て愛想が良いのが分かった。

嫌な人間ではない。

自分を見る目が心底安心したような、ほっとした顔をしている。自分の手持ちでもないのに心配してくれていたのだろう。



『(………優しい、人なのね)』



柔らかく笑みを向けたその“アヤ”と言う子をじっと見ていれば、やはりどこかが懐かしく感じる。不思議だ。今日が初めて会ったのに。……いや初めて会ったのは迷いの森だけれど。

過去に似たような雰囲気の人間と会ったのだろうか。……分からない。

元の住処に戻すと言い出した彼女に駄々に駄々を捏ねて、アヤの手持ちに無理やり加入した。ひとりは怖い。もう誰もいない住処になんて帰りたくなかった。それにまだあの惨状が森には残っている。戻って、今まで暮らしていた家族との思い出を見たらきっと、私はあそこから動けなくなってしまう。


ひとりにしないで。

そう泣きながらアヤに縋りついて泣きはらした頃には、チュリネはアヤに抱き抱えられて彼女のポケモンになっていた。






あの時のチュリネ達は





「既に全滅した?」



チュリネと渡り廊下を歩きながらレッドは聞き返した。

チュリネはそう、と頷く。

レッドが伝えた、あの時チュリネとモンメン達とアヤがモコモコに戯れていた時間帯。あの時間はチュリネ達はあの場にはいつも行かない。ビークインが縄張りとして頻回に徘徊しているからだ。万が一目をつけられて攻撃してきたら厄介なのだ。

だからチュリネやドレディアはレッド達が居たあの時間帯、あのエリアには誰も足を向けない。

だからおかしい。

仲間達は既にあの場で死んでいたはずだから。



「………」



レッドはその存在が、生きているのか死んでいるのか。

そんなものは見ればすぐにわかる。

けれどチュリネの話が本当なら、あの時自分と話していた助けを求めてきたチュリネが。アヤと戯れていたチュリネ達が既に肉体を失った魂だけの存在となるというわけで。なぜそれに気付けなかったのか。しかも実家がそっち系の本職ともあろう自分が。



「(………アヤが居なくなったことに気付けなかったにしろ、何か変な力が働いていたのは明確だな。そうだ。違和感を感じ始めたのは歌が聞こえ始めてからだった)」



あの歌はなんだったのか。

霊障なのか怪異なのか。ポケモンによるものなのか、はたまた人間によるものなのか。

考え出してもきりがないのはわかっていはいるが気になることは確かだった。

しかし分かっていることがひとつ。

チュリネ達にはこちらへの害が一切なかった事。悪意の欠片もなかったこと。

あったのは助けて欲しいという意志だけだった事。

それを思い返してレッドは瞳を閉じた。



「……たぶん、忠告だったんだろうな」

『え?』

「森に入ろうとしたアヤを引き止めていたらしい。去り際にお前の仲間にも、気をつけろと言われた。だが俺は引き止められなかった。…多分、まだ生き残った仲間であるお前達を助けて欲しいって。……真意はわからないが、そういう意味なんじゃないか」

『………!』



だが、結果としてお前を助けたのはアヤだったけど。











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