act.57 開発思案
「え?ユイ兄の所に行くの?」
「ああ。年末にな。ちょっと行ってくる」
「聞いてもいい?な、何しに行くの…?」
「研究所を潰しに」
「ファ!?」
普通に潰しに行ってきます、って言ったこの男。
どこいくの?ちょっとそこのコンビニまで!みたいなノリで言うこの男。我らが最強のバトルマスターである。
二度寝を決め込んだ後、もう時刻はお昼だった。
今日はゆっくりしよう、とレッドからの提案で外出せずに宿屋で休むつもりだ。
このライモンシティは交通の便がとてもいい。イッシュ地方の中心としてある大都市はどこにも行きやすく、行動しやすい。レッドもそこに目をつけたのだろう。しばらくライモンを拠点にして動こう、との事だったが年末にはレッドはシンオウ地方の、兄の元にお使いに行くという。
レッドが昔から研究所潰しをしていたことは知っている。許せないから、という理由で。宛ら偽善者のようにも聞こえるその言葉は、レッドが彼らのあらゆる声を拾い上げて聞こえてしまうために、その悲痛な叫びや助けを求める声…恨み辛み言の全てが聞こえてしまうレッドだからこそ言える言葉だった。
それにバトルの腕前が強すぎることはもうリーグからも世間からも公認な訳で、ポケモンが絡んだ犯罪悪事などを制圧するよう時々ジュンサーやリーグから依頼を受け持つくらいだ。今となればレッドの立派な仕事の内の一つである。
だから今更になって危ないからやめなさい、なんてアヤには言えないし、止める権限もない。
「け、怪我。しないでね」
それくらいしか言えない。
レッドがやると決めたことをとやかく言うのも何か違う気がするし。危ないしそんなことやめてよ、なんて言うのも彼と彼の仕事を否定するようでアヤには何も口出しする権利は持たない。
ともあれ怪我一つもなく帰ってきてくれたら良い。
「今まで怪我なんて一つもした事ないから安心しろ」
「う、うん…」
「心配か」
「そりゃあ、」
うん、と頷く。
今は借りた部屋でお互いソファに並んで座り、テレビを見たりポケフォンを弄ったりと各々好き勝手に過ごしている訳だが。
今日は外出せずに部屋でゆっくりする、と決めてから本当に朝から穏やかな時間を送っている。いつもはもう少しバタバタしているが(特にアヤが)、朝ごはんを食べにポケモンセンター内に付いているランチバイキングへと向かい朝食を摂った。
そこでも簡易な変装が必要で、レッドは伊達眼鏡を付けてカモフラージュしていた。
自分はどうしようか、やっぱりレッドに見習っていざ騒がれたりしたら面倒だから眼鏡くらい付けた方がいいかも……と考えて眼鏡をかければレッドに肩を押されて椅子に座らされた。「???」と何だろう、と大人しく座っているといつの間に持っていたのか、カールヘアアイロンを取り出してアヤの髪を巻き始めた。
そこでもうレッドが何をしたいのか分かってしまって、アヤはびっくりしながら机の上にある鏡を取った。
綺麗に巻かれる自分の髪。アイロンで巻いて、ドライヤーで軽く冷風を当てて二つに分けて結わった。
え、うま……とぱちくりしながらアヤは自分の変わった髪型を見ながら「か、可愛い…」と思わず呟く。いや、自分が、じゃなくて髪型が。「ああ、可愛い。似合ってる」とレッドは機嫌よく笑い今し方自分で巻いた髪をひと房取って口付けた。ちょっと、そういうキザいことを素でするのをやめてください。
そういうことが許されてる人は限られて……あ、許される人だった。
しかもレッドは手先が器用だから何でもできる…え?出来ないことってあるの…?とアヤは思った。
それにしても昨日変装した時、髪型を二つに結わってからレッドはいつに増してもアヤの顔を眺めている事が多い。不躾にジロジロと見られることは流石にないが(それはアヤが気付いていないだけであるが)ふと顔を上げてレッドを見ると目が合う事が多い。あまり髪型を変える事がないから新鮮なのかもしれない。
緩くふたつに分けて髪を縛り、そして伊達眼鏡をしてセンターのランチバイキングへと赴き食事をするが、やはりレッドからの視線はその間にもかなり向けられていた。めっちゃ見られている。
もしかしたらこの髪型が気に入っているのかも知れない。
いや、眼鏡が珍しいからか?
そんなこんなでこのまま朝食を食べて部屋まで戻って来た訳だが、眼鏡を外したままにして髪型はそのままにした。レッドが結わってくれたし、初めての割にはクオリティが高い結い方をしていて崩すのが勿体ないと思ったからだ。
帰って来てからレッドはポケモンセンターで借りたパソコンを使って何やらずっと文字を打っていた。ソファに座って組んだ足の上にパソコンを置いて黙々と打っている。
チラ、と覗けば「古代の城崩壊事件についての報告書」について。
そうか。レッドもリーグに所属している間柄、関わった事については報告書を上げなくてはならないのか。よくそんな面倒くさいことを引き受けたな…とも思うがレッドももう大人である。郷に従えという言葉を覚えたのかも知れない。
「心配か」
そう問われたら勿論答えはYesだ。
うん、と小さく答えて俯けば、レッドはまた少し笑って手を伸ばしアヤの頭を撫でた。「お前はいつだって心配性だな」と言うがそれはレッドも同じようなものだ。いや、レッドはアヤより過剰に心配し過ぎな気もする。
「とにかく、行くならちゃんと安全に!怪我なく帰ってくるんですよ」
「分かってる」
アヤの頭から頬に指を滑らせて目元をスリスリと撫でる。
くすぐったい。
あ。と何となくレッドが何をしたいのかわかってしまい、アヤは目元をくすぐる指に手を添え、目を閉じた。すると隣からすぐ近寄ってくる気配を感じて唇に柔らかな感触が押し付けられる。啄むように口付けされて耳元にも軽く唇を押し付けられる。チロ、と下唇を舐められて薄く口を開けばぬる、とレッドの舌が侵入してきた。最初は慣れなかったこの湿ったぬるぬるした感触も、今ではアヤも心地よく受け入れている。ただこの行為が単純に心地よいのか、レッドだから心地よいのか。恐らく後者だとは思うも他の人とはどうなんだろう、と恐ろしいことを考えてしまって。
アヤは青くなってその考えを振り払った。
少し考えて気持ち悪かったからだ。
「んっ…ん、ふっ、」
「…アヤ、何度も言ってるが鼻呼吸しろ。口からは殆ど無理だ」
「ふ、ふぁい」
むちゅ、とまた口内を呑まれて内壁をレッドの舌で塗り潰されている。
最初は苦しかったこのキスの仕方も、今では少し慣れた。キスは愛情表現を相手に伝えたり表したりするにうってつけの方法だと聞いたことはあるが、成程。好きな相手とするこの行為はとても幸せを感じるもので。
好き、という感情と愛しさの感情が爆上がりである。恐らく相手が好きであればある程、もっともっとと強請る行為なのだろう。まるで麻薬に近い。
そしてそれはアヤもレッドも例外ではなかった。
ずるずると体重をレッドからかけられ、アヤがソファに後ろ倒れになった所をレッドも追いかけてくる。
「……っ、ぅ…んっ…んーーっ…」
ぐちぐちピチャピチャとあまり聞きたくない粘着質な水音に耳を塞いでしまいたくなる。舌の先と根元を撫で回されればアヤの肩がビク、と震えた。
口内を掻き混ぜる舌の感触が気持ち良い。
胸や腰や足を愛撫する手が、気持ち良い。
服の下から侵入してきた手が腹を撫で、そして背中を撫で簡単にブラのホックを取って、何も付けていない背中をレッドの指先が上から下へと艶めかしくなぞった。その時だった。
べちっ
「いっ、」
「ふ、んむ、っぇ?」
「ピッカ」
ちょっと怒ったピカチュウがレッドの頭の上で仁王立ちしていた。たぶん尻尾でレッドをぶん殴ったのだろう。
間を置き口元を拭ってゆらり、上半身を起こしたレッド。
ピカチュウは動く頭の上が不安定なために飛び降りて床にまた仁王立ちしている。
「……お前な、普通は邪魔しないだろ」
「ピッカ、ピカピカ、チュゥ」
「、それは確かに。…すまない、そうだな。配慮が足りんかった」
ピカチュウと会話を始めたレッドに、アヤは次第に正気に戻った。すん、と真顔になって、徐々に顔に熱が集まっていく。
「真昼間からやるのは勝手だけどさ、ここには俺達もいるのよね。アヤもこんな顔主人以外に見られたくないんじゃないの?まだ教育的に良くない二匹もいるんだからせめて寝室でやりなさい。声もできるだけ抑えてよ」
とこの時ピカチュウはそうレッドを諭していた。
アヤにはピカチュウがなんて言っているかは分からないが、ピカチュウに説教されているレッドも珍しいが、それよりも。
「マリィ……」
「ドラっ…」
アヤは顔が赤くなるのを通り越し、蒼白になり白目を向いて顔を隠した。ワナワナと肩が震え出す。
「………ッッッ…!!!!……ッッ!!!!!」
ポケモン達が見ていた。
ジヘッドなんて顔を赤くして何も見てません、と俯いてしまっているし、アシマリは頬を薄らピンクに染め上げながらも目を輝かせ「あらあらあら…まぁ…」なんて感慨深くアヤ達を眺めている。
どうしよう、恥ずか死にそう。
いや死ぬ。
誰か自分を殺してくれ、そう切実に願った。
そして願った瞬間。体がグンッ、といきなり浮いた。
「っ!?えっ、なに!?」
「寝室に行くぞ」
「……っなんて!?」
アヤが現実逃避した瞬間、レッドは涼しい顔をしてアヤを横抱きにして立ち上がった。
え!?今!?こんな辱めを受けたのにも関わらず!?
レッドはアヤの講義を聞き入れず、寝室へと向かいその扉をパタン、と閉じた。またも二人一緒にベッドに沈みアヤを仰向けに寝かせるとレッドはすぐに首筋に唇を添わせた。
「えっ、ちょ、そんな何もありませんでしたみたいな顔して続きする!?」
「?したくないのか?」
「えっ」
「……俺はしたい」
「う"っ」
カールアイロンによって緩く巻かれた髪を指先に絡め、唇を寄せるこの目の前の男。
おかしい。
なんか、結婚の約束をしてそれを受け入れてから、いや。
明確になってから。
レッドからのスキンシップが明らかに過激になった気がする。
元々触れ合いは多かった人だが、こんな、こんなではなかったっ…。
「ふっ…!?」
はふ、と合わさった口と口の間から呼吸が盛れた。
「っっーーふ、んっ、ん、ーー〜ッ…」
完璧な密室に連れて行かれたこともあり、口内で動き回る舌の動きが随分活発化した。あ、あ、これはまずい。あかん。
じゅるじゅる、と酷い水音が掻き立てられ、口の中を塗りたくられる。脇腹を撫で胸を揉まれ撫でられやられたい放題。そうこうしている内に部屋着のワンピースを知らぬ間にたくし上げられた。
じゅうっ、といきなり舌を吸われてぐちゃぐちゃにされれば、自分の意志と反して身体が跳ねた。気持ち良い、が上り詰めて身体を緩く通り抜けていくような感覚。これも最近アヤが息も絶え絶えになりながら体で覚えたものだ。
「ッ、む、ふっ、んんッーーー〜〜〜〜〜!!?」
「…………」
「ふっ…はっ…はぁっ……ん、えっ?えッ!??!」
気付いたらとんでもない格好になっていた。
ワンピースの裾が胸まで上げられて下着丸見えになっていた。
レッドはガン見してるしもう死にたい。恥ずかしくて死にたい。
因みにブラはソファの上で既にホックを取られたようで胸の上にただ乗っているような状態だ。こんなの意味がない。ただの布だ。見ようによっては普通にブラ付けてるより卑猥だ。
「ヴゥゥ…っちょ、っと…!胸は、胸だけは…!」
「?なんだ」
「胸がコンプレックスってこと、知ってるクセに…!あんまガン見はほんとに勘弁っ…」
「……教えてやろうか」
「?」
「俺がお前の下着姿と、裸を一度も見たことないと思うか」
「………んぇ…?」
ちゅ、ちゅ、と脇腹や臍に口付けを落としながらレッドはアヤの顔にかかった前髪を払う。
アヤはゆっくりとレッドの言葉を理解する。
…と、言うことはなにか?アヤは今までレッドの前では下着や、ましてや裸を晒したことなぞ一度もない。その口振りだと、下着も裸も既に見たことがある、と言っているようなものだ。え?いつ?いつ?
「寝てる時と…風呂から出てきた時。脱衣所のドアが薄く開いてて丁度見える時がある。それと寝惚けて着替えてる時あるだろ、お前」
それら全て完全なレッドの目の保養だった。
「……………あう…」
「…お、い。何で泣くんだお前」
「恥ずかし、すぎて…今まで見られてるのに気付かない自分に対して……殴りたい……」
「それって泣くほどか?」
「男の人はこの気持ちはきっと、分からんですよ…!」
しとしと泣くアヤにそんなもんなのか、とレッドは何となくアヤの頭を撫でた。
それにしても本当に細い身体だ。
無駄な肉は付いておらず、全身程よく筋肉が付いている。その中でその脚はしなやかで美しい。
前に「自分の一番な美点は脚かな」と言っていたがそれは納得である。
薄い布だけ纏っているからこそ体のラインが綺麗に見れるが、アヤもまだ17歳だ。今でも見た目は綺麗だし彼女の母親と言われているあの写真の人物を見る限り、成長すればこれからもっと極めて美しく、洗礼された美しさを身にまとい可憐に育つだろう。
純粋にレッドはアヤの成長した姿を楽しみでいた。
どのようになるのだろう。どう成長するのだろう。アヤがコンプレックスと言う胸も成長するのかしないのか。それも含めて楽しみであった。
それを隣でずっと見ていられる権利がレッドにはある。
それが彼は、身に染みるほど嬉しかった。
「……レッド?」
よっこいしょ、とレッドはアヤを抱き上げた。
レッドの肩にアヤの顎が乗っている。
半裸なアヤを抱き締めたのは初めてで、抱き締めた所からじわじわと体温が滲み気持ちがいい。服の上からだと分からないが、素肌で感じる体温はなんて心地のいい事か。アヤの項に鼻を擦り付けて深く呼吸する。
さて、と。
「にゃっ」
何も纏ってない背中を爪で軽く引っ掻くとアヤがビクッと跳ねる。
背中や太腿、臀をやわやわ撫で揉み混んでいくと逃れるように身動ぎするが、アヤが何かに気付いたように大人しくなった。
「……?」
「今度はなんだ」
「あ、えと、なんか。今、なんか当たって……ッヒェッー!!」
「っ、おっ…まえ、なぁ…〜、…」
何かに当たった。
何か、硬いものに引っかかったような気がする。
そう呟いた彼女は手でそれを確かめようとするがそれは。
悪手だった。
丁度レッドに抱きしめられていて、胸に引っかかってたくし上げられたワンピースを直そうと奮闘していたのだ。手を下げたその時に、丁度その硬いものに当たった訳で。
何だろうとそれを触れた瞬間に、アヤはそれが何なのか分かった。
男性器であった。レッド自身でもある。
それが何なのか理解した瞬間、アヤは文字通り飛び上がった。
レッドも不意に突然膨張していた自身の急所を掴まれたこともあり軽く悶絶している。
「不意に触るもんじゃない…っ……」
「ゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいッッ」
まあレッドからしたらそんな謝る程のことでもないが、アヤはもうそりゃ死ぬほど怯んだ。
アヤからしたら男性器なんて未知のもので、自分に無いものを男性は持っているのだ。しかも、こんな。こんなズボンを押し上げて膨張している所なんて見たことがない。聞いたことはある。本で見たこともある。けれどそんなものより実際に見るコレはもっと衝撃的であった。
ドキドキと強く脈打つ心臓を半ば無理に抑え込みながら、でも。とアヤは思った。
男性器が膨張するのは生理現象か、それか性的興奮で昂っている時に起こる現象である。と言うこと。それくらいは知ってる。ということは…。
「レッドでも、興奮することあるんだねぇ……」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ」
むぎゅっとアヤは顎を掴まれた。
ちょっと不機嫌そうにするレッドにアヤはだって、と続ける。
「……子供、体型だし」
「…………」
「胸だって小さいんだよ。これで興奮する人いるのかなって」
「…………」
自分の無い胸をペタペタ触り俯いてしまう彼女を見て、はっーーー…と深いため息をつく。
レッドはガシガシと己の髪をかき混ぜた。ってことは何か?今自分の分身はこんなになって膨れて熱く昂ってるのに、何の理由もなくこうなってると?
何故アヤはこんなにも自分を卑下するのか。…いや、卑下というより自信がない。自分なんて、と時たま他者と自分を比べては落ち込んでいる。
落ち込む必要がどこにあるのかわからない。
充分立派な功績を残せているし、今までだって自分のことは自分で考えて、あまり他人に頼らず生きてきたのだ。
自分のポケモン達とも必死に向き合ってそのポケモンのことを何よりも理解し、勉強した結果、今がある。体調管理や食事管理も一日も怠らず、技と技が融合しぶつかった後、何が起こるか、危険か危険じゃないのか。その化学反応も勉強している。
そこから築き上げられた努力の末、猛者勢揃いの中倍率の高いグランドフェスティバルを征して王冠を手にした。
トップコーディネーターとして未だない最高得点を所持しているのはまだアヤだけだ。
それは他のコーディネーターが簡単には追い越せない高い壁となって阻まれている。
まあ世間的にあまり許されないことをグランドフェスティバルでやらかしたりはしたけれど、それは若気の至りというやつで。
今はもうやったらマズイこと、後先考えて大変になってしまう事を予想して踏み留まったりもできる。だからアヤはもう正式にグランドフェスティバルから一歩退き、もう少し静かに過ごしたくて自由になりたいという希望でプロ行きを志願したのだが。
面倒な手続きやらもマリリンに任せてはいるが、それでも面倒で嫌なことから逃げずに向き合う精神力もある。
それのどこが、卑屈になる必要がある?
卑下する理由が全く見当たらない。
そもそもアヤは女の価値=胸の大きさと思っている節が強い。
そんなわけないだろうがバカ。
「………お前は、女の価値ってなんだと思ってる?」
「え?……えっと。胸の大きさと、………色気…?清廉潔白で。愛嬌と、可愛さと、美しさ…かな」
「はーーっ…」
「ため息デカっ…」
「そんなわけないだろバカ」
「ふっ…!?に、ゃ」
今はもうワンピースの裾が元通りになってしまったが、裾からズボッと手を突っ込んでブラを押し上げ、直接胸を掴んだ。そう、文字通り鷲掴みにした。
は、とアヤが息を飲んだ気配がする。
揉むと立派に弾力が手のひらに伝わり、フニフニと柔らかな肉の感触がする。服の上からしか触った事がなかったが、素肌だとこんな心地がいいものなのか。とレッドは一人納得する。やわやわ揉み、撫で摩り胸の突起をグリグリ押し潰せば「ちょ、やっやだ、まっ…んんんっ!?」と付いて行けないのか背を反らしながら震えた。
「好きになったらそんなもの、殆どが関係なくなる」
アヤの下腹部に硬く膨張した自身をごりごりと押し付けながら裾を胸上まで目繰り上げる。
そんなに嫌だと、コンプレックスだと言うなら、そう思わなくさせてやればいい。何故ならこれから先、嫌になるほど己に弄り倒されるのだ。いつしかユウヤに聞いてた胸のバストアップの方法など、こうしてお触りしていく中自分が施術者として適任かと思うくらいだ。
レッドはアヤの身体の性感帯という器官全てを高めるだけ高めるつもりなのである。初歩でまず口の中と、胸を開発する予定である。そしてデロデロになった所をトドメを刺して残さず喰らう。
眼前に晒された淡く色付いた飾りを容赦なく口に、ーーー含んだ。
開発思案
アヤからしてみたら、そんなのは凶悪な思想でしかなかった。