act.01 一年経過18歳
「って事で。ボク晴れて18歳に昇格したんで、グランドフェスティバルのトップから降りてプロに移動しようと思います」
「「「……………は?」」」
18歳に晴れて昇格し、それをグランドフェスティバルの本部の方々に軽々しく言いました。
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「アヤくんんんんん!?なっ、何を言っているのかね!?」
「君ィイイッ!!そそそそそんないきなりの事が通用すると思っているのか!そもそも君まだ17歳っ…!」
「チッチッチッチ、ロバートさん。ボクは今日で18歳に昇格したんですよ」
はい皆さん、こんにちは。
お元気しているでしょうか、ボクは凄く元気というか元気過ぎて自分でもどうかと思うくらいに元気ですアヤですこんにちは。とまあ挨拶はここいらで置いとくとしよう。
今日晴れてボクは18歳に昇格しました。おめでとう自分!そんな中のグランドフェスティバル大会本部。そのいつもの会議で「トップを降りる宣言」をしたらやはり幹部の爺共が口煩く罵ってきた。まあ唐突に言った事だし、驚くのも無理は無いだろう。
だがしかし!いくらお前ら爺共が駄目だ駄目だと言ってもボクは心の中で完全なる勝利を手にしている!そう、結局ガンコな爺共に無理な事を頼んでも最後まで無理。だったら話のわかる人物に話を通すのが得策だろう。
「なっ…!し、しかしそんないきなり話をされてもだね!」
「ロバート伯爵、煩いですわ。もう少し声を押さえてくださいますこと!!」
「マ…マリリン婦人ッ…」
「アヤさんのプロ移動には既にわたくしが承諾済みです」
「マリリン婦人が!?何を勝手に…!そんな事いきなりはいそうですかと許す訳が無、」
「お黙りッッ!!」
「「「(ヒィッ…!)」」」
「現在の最高責任者はわたくしです。わたくしがルールです。お分かり?ロバート伯爵」
「ぐっ…」
はい。マリリンさんの怖さも健在しております。
手に持った扇子を机に叩き付けたマリリンさんは、真ん前に居るロバート伯爵を睨み付ける。あんな眼力に睨まれたら穴が空きそうだ。良かった睨まれなくて。そして、扇子を広げて口元を隠すマリリンさんは今度はボクに視線を移す。
「それに何も無責任に降りる訳じゃありません。在席上、アヤさんには次の大会までトップの椅子に座っていて貰う事になります。…まぁ、プロ行きは確定しているので、負けても勝ってもGFから移動はしますが…。ねえアヤさん?」
「あ、はい」
グランドフェスティバルから移動し、プロに移る。それはグランドフェスティバルで上位の成績を納め続けたコーディネーターだけが進める世界。GFより更にその上の舞台と言う事だ。簡単に言えばプロのコーディネーターとして、演技のみで飲み食いをして行くと言う事。
運は必要なく、実力だけが問われる世界。
実力が無ければそこで切られる危険性もあるが、ぶっちゃけGFの方よりもプロ行きの方がプレッシャーも少なく、自由に出来そうだと感じた。
それにこんな書類整備なんて仕事もない。まあGFは毎月給料は出るけれど、プロは演技して勝った分だけしか稼げないのがマイナス面と言ったところか。
しかし気が張り詰めない自由なところが良い。
うん、やっぱりプロがいい。
「では、アヤさん。明日からは来なくて宜しいですよ」
「(よっしゃあああああ)」
「しかし、プロに行ったわ良いけれど首切られたなんて言ったら………どうなるか分かっているでしょうね」
「……はい」
「ま、あと申請には一年かかるのでそれまで腕でも磨いてなさいな」
プロに移行しました!
(自由を掴みました!)