act.25 共闘







「ありがとうございました!またのご利用お待ちしております!」

「………?あれ?お会計は…?」

「あちらの方が既に済まされましたよ」

「え!!?ちょっ、待ってよルビーくん!!ほんとにいいよ払うから!ちょっ……ボク、自分で払うって思ってデザートいっぱい食べちゃったじゃん!!」

「いや本当にごちそうさまでした」

「何それどういうこと!?」



ルビーに食事に誘われ、一緒に夕食を取った。

お腹は、空いている。空いているが、いつも通りバカバカ食べる訳には行かない。結構こう見えて自分は大食らいである。

しかしここは人前。相席している人がいる。食品を最小限に留める為にオムライスだけでやり越そうと思ったら、ルビーは何を思ったのか唐揚げやらエビフライやら次々に注文し始めた。目をパチパチしながら見ていたら彼はニコリと笑いながら言い放った。



「お腹が空いてるならいっぱい食べましょう」



…どうやら彼は自分の腹が全く膨らんでいない事に気付いていたらしい。そしてまた笑顔で彼は言うのだ。俺の財布でしたら全然減らないので大丈夫です、寧ろ今は減ってくれた方が全然有難い……と。何だか、彼は奢る気満々なのだがアヤは奢られる気なんて毛程もない。自分の分は自分で出すつもりである。

ルビーはお金には余裕があるらしい。コンテストの賞金やバトルの賞金などで腐る程稼いでいるのだろう。通帳がどうなっているのか安易に想像出来た。

それからルビーと話している内にあっという間に自分の敬語を取り払われ普通にタメで話せるように流され、知らない内に自分が食べたいデザートまで聞き出して頼んでしまったようだ。というか話の持っていき方が達人…。ごく自然に話をしながら好きなものをさり気なく聞き出して頼む、と言う話の持っていき方が。

いつものように極自然に注文してしまい、そこで自分の失態に気が付いた。机に広がる空になったお皿。自分一人だけめっちゃ食べていることに。

正気に戻ってハッ、として。空の皿を見ながら「あ、あかん…!」と呆然としていたら笑いを噛み潰す声が。ルビーを見ればよほど面白かったのか、笑いが出ないように口元を隠していた。酷すぎる。

そんなこんなでデザート(当店一番のお勧めの品アラモード☆パフェ税込価格1520円)を無理矢理堪能し、今に至る。もうそろそろファミレスも閉店の時間が迫ってきているから帰りましょうか、と言ってルビーは席を立った。アヤはその言葉に素直に頷いてルビーの後を追った…が。何故かレジを無視して入口に直行しており、「え?あれ?」と焦ったように呼び止めたのが始まりである。どうやらアヤが気付かない内に支払いが終わっていたらしい。え?なに?イケメンってそういう事を平気でするの?怖いんだけど。「払うよぉー!」と駄々を捏ねてもルビーは「おそまつさまでした」と言い聞いてくれない。………あれ?イケメンって人の話を聞かないの?
レッドと言いワタルやダイゴと言い全く人の話を聞かない事が多々あるが、元々イケメンは人の話を聞かない性格なのだろうか。

「食べた分返すから、いくらだったの?」と強めに出てもアヤの財布をやんわりと鞄に押し戻したルビーは「じゃあ今度またジュースでも奢ってください」なんて言うが明らかに等価交換の代償がおかしい。……とりあえず今日は何を言ってもお金を受け取っては貰えなさそうだ。仕方なく「ごちそうさまでした。……ありがとう」と伝えると彼はまた笑って、「男のプライドっていうか、見栄みたいなのがあるんですよ」と軽く言った。

そういうもんなのかなぁ。

ルビーの後に続き、外に出ると時間は23時を過ぎていた。後でジョーイからポケモン引き取りに行かなきゃ……とも頭の片隅で思って。



「アヤさん、もう少し時間ありますか?すぐに済みますので…こんな遅くにすみません」

「え?あ、うん。大丈夫だよ?」

「良かった。じゃあポケモンセンターのロビーに行きましょう。今の時間帯ならあまり人はいないはず」

「……?」


彼にポケモンセンターまで誘導されながらそれって夕食の時に話しするのではまずかったのだろうか、と疑問に思った。首を傾げ彼の横顔を見れば、さっきと打って変わってとても真剣そうな顔をしていて。



「大事なお話があるんです」



小さく呟かれた彼の言葉が耳に届いた。



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センターの中は静まり返っていた。

いつもはこの時間帯、もう少しトレーナー達が居てもおかしくないが今日は誰も居ない。静まり帰ったフロアにはジョーイとラッキーのみがフロントに佇んでいた。そしてセンターの中を流れる静かな音楽しか聞こえてこない。



「おかえりなさいませ。ポケモン達はみんな元気になりましたよ」

「ありがとうございます」



ジョーイから預けたポケモン達とトレーナーカードを受け取った後、アヤは先の戦いで戦闘不能になったカイリューとウインディ、それにリオルのボールに呼びかける。「ごめんね、大丈夫だった?」と問うと答えるようにカイリューとウインディのボールが小さく揺れた。………よかった。元気そうだ、と思ったがリオルから返答がない。どうしたんだろう?と首を傾げるとリオルがボールから飛び出してきて、そのままアヤの腕にギュッと抱き着いてきた。



「あら…どうしたのリオル……」

「………ば」



おそらく、戦闘で何も出来なかったことにリオルはショックを受けているのか。これ以上何も言わないリオルを抱え直して、そして次にアヤはまだ回復が済んでいない隣のサンダースを抱っこするとそのままジョーイへ送り出す。「明日の朝迎えに行くね」と言うとサンダースは頷いて「お預かりします」と言うジョーイへ預かって貰った。



「ごめんね、お待たせ」

「いえ、」



ルビーはエントランスのソファーに座ってアヤを待っていた。壁際に座るルビーの正面へと腰をかける。アヤが前に座ったのが視界に入ると、彼はホウエン地方の通話機種であるポケナビを弄る手を止めてアヤの顔を覗き見る。



「傷付いた子達は大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。サンダースは入れ違いに今念の為見てもらってるけど、外傷はそんなにないと思うから…でも、なんかリオルが」



アヤは腕にへばりくっついたままのリオルを指差すとルビーは「ふむ」と呟いて。しばらくルビーは黙ると、次に頷いた。



「………………さっきの戦いで、自分は本当に役立たずだ、と……」

「んえ!?えっ、わかるの?」

「俺の仲間にエスパータイプが居るんです。ポケモンの言葉や感情を念力に乗せて通訳出来る、凄い子なんですよ」

「そっ……それは凄い…!けどちょっとリオル!?」



腕にへばりつくリオルを見ると何も言わずじっと抱きついている。え?リオル、そんなこと考えてるの??何を言ってるんだと、アヤは慌てたようにリオルを宥めだした。リオルがあの時庇ってくれなかったら、もしかしたら自分は大怪我を負っていたかも知れないのだ。精一杯それを伝えてもリオルは納得ができないのか益々、アヤの腕にぎゅう。と顔がめり込んでしまうのではないかと思う程抱き着いてすがりついている。

アヤはリオルをよいしょと抱っこし直すとよしよしとあやす様に背中を叩き始める。まるで赤ちゃんだ。でもまあ可愛いし良き。



「(それにしても……やっぱりポケモンと会話できるっていいなぁ…)」



シロナのルカリオを思い出す。
シロナが自分のルカリオと喋っているのを見て「いいなぁ」といつも思っていた。それに彼女の他の手持ちポケモン達とも会話が通じずとも何となく何を喋っているかは想像はできたが、どうしても何を言ってるかわからない時は全てルカリオが通訳してシロナへと伝えられていた。

今のルビーだってそう。彼はエスパータイプのポケモンと会話している。

単純に凄い。なんて便利なのだろう。
いつかは自分も、リオルがルカリオに進化して波動が使えるようになれば…彼らのポケモン達のように会話ができるのだろうか。シロナのルカリオには人語を操りそれを人間に届けるにはかなり精錬された
波動操作が出来ないと難しい。そう言われたが……。
でもそれさえできてしまえばリオルを通じてサンダース達とも的確なコミュニケーションが取れる。今まで痒いところに手が届かなかったのが、一気に手が伸びる。

そんな感覚である。



「(進化……そろそろしてもいい頃合いなんじゃないのかな……)」



それにしても進化が遅い。

シロナのルカリオは『波動の氣功であるツボを押しましたので、進化を堰き止めていたものはもうありません。あとはいつも通り経験を積んでレベルが上がれば自ずと進化するでしょう』とは言っていて。言葉の通りルカリオに波動のツボ?のようなものを押して流して貰ったから進化するのはもう時間の問題だろうけれど。

リオルだって今までそれなりの経験は積んできたしレベルは高いはずだ。おそらく、あと本当にもうちょっと。



「焦らなくていいんだよ」


そう。そんな慌てることでもない。役に立たないなど、そんなこと一度も思ったこともないしましてやそんな道具のように思ってなどいない。

リオルをわしゃわしゃ撫でるそんな自分達を見てルビーは小さく笑った。



「さて、本題に入りますね」




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「まずはこれを見てください」

「…………全国新聞?」

「はい。あとこれも見てください」



何の、と聞かなくてもわかった。新聞の欄には大きな文字で“犯罪集団の暴動”と載っていたから。
ルビーから新聞と、それと数枚の資料を受け取り文字を目で追うアヤの隣で、リオルはじっとその新聞を見ている。

字は読めないはずだが……。



「アヤさんも既にご存知だと思いますが、カントーとジョウトを中心に暴動を起こしていた迷惑集団とシンオウ地方の迷惑集団が今一緒になって暴れ回っているのはご存知ですか?」

「う、うん。知ってるよ。旅に出る前から口酸っぱく注意されてたし…」

「知らされていたんですね。それなら良かった。……ですが俺達の予想以上に奴らの行動がが日に日に活発になっているようで、ポケモンを奪われたと被害を訴える人も日に日に増えています。それに厄介なのが人気のない所や一人になったところを狙って4〜6人の集団で襲って来るのが厄介どころで…」



新聞、資料の二つを改めて良く見れば被害件数や被害者の名前、奪われたポケモンと被害内容が数え切れないくらい書かれていた。ざっと目を通してアヤは冷や汗いっぱいになって文字を追う。

野生のポケモンをボール以外のもので捕獲、民家の家を荒らしポケモンや金目の物を盗む、ポケモン研究者のフリーワークのポケモンを強奪、トレーナーやブリーダー達から珍しいポケモン、色違いのポケモン、強いポケモンを強奪……様々な悪事が載っている。

その被害状況の一文にポケモンセンターを乗っ取った事件があった。しかし一人の青年によって被害は全く無かったらしいが、おそらくこの青年はレッドだろう。先日ワタルから聞いた話だ。(団員を殴り飛ばして再起不能にした)
そしてマサラにある研究所を乗っ取ろうとしたが運良くその場に居たトキワジムリーダーが返り討ちにした、ノモセのジムを占領しようとしたがジムリーダーとジムトレーナー達が反撃した為事なきを得た……など。

ここら辺はアヤも知っている事件がチラチラあった。というか当時現場にいたし。



「奴らは強いポケモン、個体種が珍しいポケモン、色違いのポケモン。それら目当てに襲って来るらしいです」

「…………」

「それにこの前セキエイリーグで緊急会議を開いたみたいで、」

「緊急会議…?セキエイって………」



セキエイリーグはワタルの管轄だ。



「会議の内容は集団の目的を絞る事及び奴らの捕縛、アジトを早急に探りつつ叩く事。二つ目は各地域の巡回を強化をして被害を少しでも減少する事。一人で行動するトレーナー達にはなるべく騒動が収まるまで街で待機か、2人以上で行動するように呼びかけること。……掻い摘んで話すと、それが今回チャンピオンのワタルさんが各地のジムリーダーとジムトレーナー達への伝達内容になります」



リーグ本部で緊急の会議が開かれることはだいたいろくな事ではないことが知られている。資料と新聞を通して見ればその被害の大きさが改めてわかるし、自分達だけが襲われた訳ではない。アヤの知らないところで、あんな風に襲撃されて大切な物やポケモンを力で奪われる。自分達はたまたま近くに人がいて、助けられた。本当なら今頃サンダースはいなかったかもしれない。

ただ、運が良かった。



「そうなんだ……思ったよりも、深刻そうな感じなんだね…」



し、知らなかった。

身をもって体験した今では他人事ではなくなってしまった。被害状況はかなり深刻らしい。



「全くです」



ため息を着きながら開いた新聞をルビーは折り畳んだ。

じっとアヤの顔を見てにこり、笑った彼の真意がわからない。それにしても会議の内容をなぜ彼が知っているのか。寝る前にアヤは大まかな情報をインターネットで確認するようにしている。昨日まで特にそんな情報もなかったし、だとすればルビーはリーグ関係者なのだうか。……そうだとしたら、自分より年下なのになんて立派なのだろう。

首を捻ったアヤの様子に察した彼はひとつ頷くと、アヤの斜め上の方向から回答を得た。



「ダイゴさんから聞きまして」

「ダッ……え?ダイゴさんって、あのチャンピオンの?ルビー君の言ってるダイゴさんとボクの想像するダイゴさんって同一人物…?」

「ホウエン地方のチャンピオンであるダイゴさんですね」

「知り合いなのルビー君!?」

「前にちょっとした事件解決を手伝った事がありまして……」

「じ、事件解決」



それからというもの、ダイゴさんには結構良くしてもらってるんですよ、とルビーは表情を崩すことなく笑っている。
やはりルビーの言っているダイゴとはホウエン地方のチャンピオンである彼の事だ。まさかダイゴと知り合いなんて思わなかったが、どうやら事情がありそうだ。事件解決……そういえばホウエン地方も結構前に犯罪集団が屯していたような記憶がある。確かロケット団、と似たような何とか団……だったような。各地方にはいろんな犯罪チームの名前が上げられているから、一々覚えてない。

やはりどこにも似たような反社のような人間はいるものなのだろうか。



「それで、ずっとアヤさんを探していたんですよね」

「え?なんで?」

「ダイゴさんから頼まれまして。アヤさんとしばらく行動を一緒にしてくれないか、ってダイゴさんが」

「………え!?」

「しばらく行動を一緒にしてれないかってダイゴさんが」

「………それは、ボクの意思は……」

「んーアヤさんの意思も勿論尊重したいところなんですが、実の所ワタルさんやシロナさんのお願いも入ってるみたいでして…」



ルビーは申し訳なさそうに頬をかいている。

ワタルやシロナの名前が出てきたことから、ルビーにはアヤが各地方のチャンピオンと何らかの関係を持っていることは既に分かっているだろう。今は深く詮索されないが、たぶん気にはなっているに違いない。



「(ワタルさん達の、お願いかぁ…)」



…ルビーとしばらくの間一緒に行動する?本当なら旅は一人が良いに決まってる。しかもコーディネーターならあまり手の内を晒したくないのは本当。

数ヵ月後に控えたグランドフェスティバルを考えたら悪い方に響くかもしれない。

バッジ集めには一人で向かいたいところだが。



「ダイゴさんはアヤさんをかなり心配しているみたいでした。……何も一緒に行動するのはずっとって訳じゃありません。ここまで昼夜問わず被害が大きくなってるということは、それと同時に捕まえやすくなると言うことです。リーグの人員を総動員させて動かざるを得ない状況になってる時点で、奴らが捕まるのも時間の問題だと思うんですけど」

「………そっかぁ…」



一緒に行動、かぁ。

確かに今日みたいに集団で襲って来られらたまったもんじゃない。今日はたまたま追い返したけど次もし襲ってこられたら、一人でなんとかできるのか。



「(……自信がないなぁ)」



アヤには自信がない。

演技は好きだがポケモンバトルそのものは苦手だから好きでは無い。まあ嫌い!とは聞い切れないけど。今旅をしている理由だってバトルが嫌いだから今までジムを避けてきた。最初の内は腕試しと称してジム戦に挑んで来たけど、自分にはそっちのセンスはない。

今現在のコーディネーター達はコンテストに出場するだけでなく多めにバッジも所持していて、それに比べて自分が劣らないように。トップコーディネーターがバッジ弱者だなんてあまりに見栄えが悪いから、今こうしてバッジを集めている。それにバトル技術も向上するかも、と安易な考えをして。



「(安全を考えるならルビー君に旅の同行をお願いするのが一番)」



先程の戦いはかなりギリギリだった。

バトルに自信がないのなら、一人より二人で行動した方が良いと思うが…。でも一緒に行動なんかしたらめちゃめちゃに振り回す自信がある。そんな迷惑かけれないし、それに自分が狙われてるならルビーも一緒に居たら彼も危険なんじゃ…。



「で、でも」

「?」

「ボクと一緒に居ると、ルビーくんも危ないんじゃ」



困惑気味に彼を見るとやんわりと笑っていた。



「ああ、大丈夫です。俺もあなたと一緒。手持ちにキレイハナがいるんですけど、彼女も色違いで奴らからストーカーされていて」

「スッ…ストーカー!」

「ええ、ストーカー。しつこくてたまったもんじゃないんですけどね…。俺も身の安全を考えたら誰かと一緒にいた方が心強くて」



ルビーはため息をついて、それからふと息を吐く。

少し背筋を正して、緊張したような面持ちでアヤの目を真っ直ぐ見つめる。



「アヤさんさえ良ければ。俺で良ければ、少しの間一緒に行動しませんか?」

「……」



ダイゴからの頼み……いや、チャンピオンからの伝令はほぼ命令に近い。ルビーはそれをわかっていて、それでもアヤに自由な選択肢を与えている。……優しい人なのだろう。

頭の片隅に、レッドが浮かんだ。

ワタル達はアヤがレッドと付き合っていることは当然知っている。というか仲介人のような役回りをしたワタルからはからかわれることもあるし、何故だか熱烈に応援されている。

それなのに。
……こんな、本当なら敵同士のコーディネーターの、しかも男の子をアヤと一緒に行動させるなど。本当なら断りたい。だって反対のことをされたりしたら自分は嫌だと感じたからだ。自分の知らないところで自分じゃない女の子と理由はあれど短期間、一緒に旅をする…考えたらちょっと嫌だった。
自分がされて嫌なことは相手にさせるつもりはない。

回りくどいことなんてさせるより最悪レッドに事情を話してアヤと一緒に居させれば簡単な問題なのに。

それが出来ないってことは、何か理由があるのだろうか……。

ともあれ、忙しいワタル達がアヤの安全の為に考慮をしてくれている。

その思いは無下にはしたくない。



「………うん!じゃ、少しの間だけどよろしく」

「……!よかった、よろしくお願いします。アヤさん」



これから男の子と少しの間、旅をすることになったって。

レッドに言った方がいいなかなぁ……。

安堵するように微笑んだルビーに、アヤは頭を下げたのだった。





共闘


(この話を受けた時、「やった」と。震えるくらい嬉しかったのだ。彼女に受け入れて貰えるかはわからなかったが、)

(よろしくお願いします。と頭を下げた彼女を見て。この時、自分の顔が見られていなくて本当に良かった)










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