緑と蒼
※以下ポケモン同士の会話
『『初めまして』』
『……人間同士がする挨拶は、初めまして、で合っているのか?』
『安心しろ、確か主は初めて会った人間には“初めまして”を使っていた、はず。だから初めましてで合っている筈だ』
『そうかなのか。では、“初めまして”で』
『いや待て三匹目の同胞よ。二回目以降は“こんにちは”だったな。そういえば“お久しぶりです”やら“こんばんは”など白銀の麗皇や鉄壁の剛腕が言っていたのを覚えているぞ』
『?何が違うのかよくわからぬ。…ああ、そういえば“ご機嫌麗しゅう”や“ご機嫌よう”などもどこかで………ああ、確かドラマで言っていたな。よくわからぬ』
『ああ、全くだ。よくわからんな。もう難しいからとりあえず私はこんばんはで行ってみよう』
『ニホンゴとは難しい。我々ポケモンには全く理解ができない。それも奇。では私はご無沙汰してますとでも言おう』
『難しいな…もうどうでも良くなってきた』
『同感である。果てしなくどうでも良くなってきたニホンゴ』
『では、次のステップに進もう。自己暴露(訂正:自己紹介)をしよう』
『了承した。自我暴露(訂正:自己紹介)か。確か己の全てを相手にブチまける人間の最初の儀式でったな。名は蒼屡。掃除とヨウカンが好きである。さて、同胞の名を聞こう』
『蒼屡…そうか蒼屡と言うのかお前は。覚えておこう。私は刹那。今から××××××××××××時間前に我が主から名前を貰った』
『そうなのか…。つい最近だな。私は×××××××××××××時間的前に名前を貰ったぞ』
『ほぉ、随分と昔だな。あと最近人間の食べ物が美味いと体験済みだ。ケーキが美味だった』
『それは分かる。人間の食べ物は味が濃くて美味。漬物も美味だった。あの…………黄色くてコリコリした』
『…確か、たくあん、と呼ばれていたな。たくあんじゃないか』
『ではたくあんで。あれをコメに乗せると尚美味』
『確かに。納豆も上手かったぞ。主特性お●め納豆』
『分かるぞ刹那。あのネバネバ感がなんとも言えない。私はカラシとネギは入れない派だが』
『そうか、私は気分によってだな。それにしてもわかってくれるか蒼屡。流石同胞だ。人間の食べ物は面白いな』
『全くだ。それにしてもここまで話が合うとは流石同胞。こういう時は……何だろうか、友好のシルシに何かをするんだったな』
『ああ、それは良い。しかし友好のシルシとは?』
『わからぬ。とりあえず適当に何か身分を示せば良いのではないだろうか?』
『?身分……主の下着でも示せば良いのか?』
『そうか、主の身分を示せば良いのか』
『…いや蒼屡、何かが違う気がする。とりあえず無難にスプーンでも交換しとくか』
『カレー用のスプーンがあるぞ』
『レンゲもあるがどうする』
『頂こう』
『……………』
『……………』
『ここから先は私は知らないぞ』
『生憎、私もだ』
『とりあえず「乾杯〜!」でもしとけば良いんじゃないか?主がやっていた』
『ほぉ、それは確かに主もよくやる。人間とは面白いな』
『全くだ。では、とりあえず乾杯』
『ああ、乾杯』
「……………え、刹那ちゃん達何やってるのーん」
「……………蒼屡、恥ずいからやめてくれマジで」
**十五夜**