居酒屋





※居酒屋で二人



「辛いのは」

「クソくらえ」

「へぇ、意外だな。お前どっちかと言うと辛い派だと思った」

「馬鹿言え、あんなん舌が爆発するだけだろ。逆にお前は甘いのは駄目なのか。意味わかんねぇ」

「いやお前こそ意味わかんねぇよ。キムチとか塩辛とか最高だろ。特にこういう居酒屋で出すやつは」

「キムチやら塩辛やら全く意味わかんねぇよ人間の食い物じゃねェ」

「って事はユイお前、居酒屋行ってもあんまし食うもんなくねぇか?」

「…店によってだな。まあ全部が全部辛い訳じゃねぇだろ。普通で良いんだよ普通で。レンガルス、醤油」

「はいよ。…まぁあれだな、居酒屋言ったら枝豆と焼き鳥は食うだろ。オッサン、冷酒2本」

「ヘイ!冷酒2本ご注文〜!」

「「「ハイヨ!」」」

「待ちなオッサン、焼き鳥の盛り合わせも追加で。あと軟骨」

「ヘイ!厨房ォ!焼き鳥盛り合わせと軟骨も入ったよ!」

「ハイヨ〜!」

「…………と。レンガルス、この前言ったモンは用意出来てるんだろうな」

「フッ、当たり前だろ?調べるにしても、ちょいそこいらのポケモンからかじり出せば直ぐだったぜ?どっかの誰だかわからん奴から聞くより、よっぽど内容率高い。……俺の情報は高いぜユイ?」

「………買おう、値は」

「××××」

いやおい。それ完全にぼったくりだぞ」

「フッ、言っただろ。俺の情報は高いって」

「…チッ!!」

「随分デケェ舌打ちだな」

「…フン、後日振り込んでくらァ。さっさとその資料寄こせ」

「持ち逃げすんなよ」

「逃げねぇよ馬鹿が。……、…へぇ、上等。流石だなレンガルス。伊達に情報屋名乗ってねェのな?」

「ったりめーだ。で、ナズナ当てのモンは?」

「あ?……ああ、そう言えばそうだったな。ほらよ、」

「……………?これか?何だこれ?ナズナの奴、こんなもん欲しかったのかよ」

「サラツキの事を俺が知るか。ユウヤの実験サンプルだ。確か―――……そう、ゴクリンがどうのこうの」

「……………は?」

「あとこれユウヤからサラツキ当てに請求書。『3日間以内にこの口座に振り込まなかったら両足か両腕切断するからそのつもりでね、サラツキ博士』だと」

「任された。必ず伝える」

「そうしとけ」

「……………ちょっと待て、この額ぼったくりっつーよりも最早詐欺の領域じゃねえのかこれは」

「…そいつァ言ってくれるな。あいつは存在自体が詐欺だ」

「その言葉をあいつ自身に言ってやれ」

「………………」

「………………」

「………………」

「………………そうか、分かった。何か悪ィすまん」



「――――ああ、白皇、お前こんな所に居たのか。!っと、ユイも一緒か。久しいな」

「!おうゴウキ、ここがよくわかったな」

「あ?…おお、久しぶりじゃねェかゴウキ。お宅の坊っちゃんちょい借りてるぜ」

「ああ、うちのレンが世話になってるな」

「ああ全くだ」

「ちょっと何だこのデジャヴュ」

「仕事帰りか?どうだい一杯」

「是非頂こう。…と言いたいのが……、」

「ゴウキさん何やって………あれ?レンさん?…あれええええユイ兄!?」

「どうしたのアヤちゃ……あれぇーレンちゃんこんな所に居たの?それにいつぞやのユイさんもご一緒!」

「………」

「ようミリ、すまねぇな何も言わずに」

「…何だ白皇、お前舞姫に一言言わなかったのか」

「いや、寝てたからよ。…わざわざ起こすのも気が引けたんだよ。お前最近よく寝てなかっただろ」

「んーん。でも次からは寝てても良いからちゃんと一声か、メモでもいいから欲しい…かな。……突然いなくなったら心配するよ」

「!(キュン)」


「おい愚妹…テメェなんでこんな所にいやがる。ここが何処だかわかってんのか未成年立ち入り禁止区域だぞ。それに何でゴウキと一緒にいやがるんだ」

「え!?いやあの、ゴウキさんの仕事場でミリさんと遊んで…あ、それよりユイ兄!ボク絶対お酒飲まないから枝豆食べたい!奢って!」

「ッざっけんな!誰が奢るかガキは今すぐ帰れ!お呼びじゃねぇんだよ!」

「ブヘッ!おっ…お願ああああああい!!枝豆だけでも!だけでもオオオォッッ!!居酒屋の枝豆は美味しいってレッド言ってたよ!だからボクも是非一度…!」

「あの小僧も一応未成年だろ!!何で居酒屋入ってんだ!!」

「おーアヤ、お前も一緒に飲んでけ(ソフトドリンク)」

「さあアヤちゃーん、一緒に枝豆といか焼き食べよー!」

「いっ…いか焼きいいいい!」

「マスター、焼酎を。おい白皇、そこの焼き鳥取ってくれ。舞姫達が目を光らせてるぞ。特に蒼凰が」

「おー、食え食え。どんどん食え」

「おいいいいテメェらアアアアァァァッッッ!!」



**十五夜**




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