知らぬが仏
【知らぬが仏】
「うーん、なんだろう…ここ最近ずっと左肩が重いんだよなぁ…肩でも凝っているのかなぁ?」
「ばうー」
「あー、気持ち良いよリオル〜。その力加減さいこぉ〜……でも重いのは変わらないんだよねぇ。なんだろう、ボク何かしちゃったのかな…?」
(数日後....)
「ミリさーん!久し振りぃいい!会いたかったよミリさーん!」
「久し振りだねアーヤーち、ゃ…ん?…………………………アヤちゃん、君どうしちゃったの?」
「ほえ?なにがですか??」
「…………。アヤちゃん最近、左肩…重いでしょ?」
「よく分かりましたねミリさん!そうなんですよー、ここ最近肩が重くて重くて…リオルに肩揉みしてくれてるんですけど、全然凝りが取れなくて…ボクもしかして歳とったのかな…?」
「……………よし、アヤちゃん。私がやったあげるよ。安心して、作業療法の知識はあるから。私の手に掛かれば凝りも重みも意識も全て天上さ!」
「え、いいんですか!?やったぁ!ミリさんありがとう!出来れば意識は飛ばして欲しくないかな!」
「細かい事は気にしなーい。さーてアヤちゃん。早速前に座って後ろを向いてね〜」
「はーい」
「……………………」
―――ベシッ
「(……ベシッ?)」
「さーてマッサージ開始〜」
「お願いしまーす」
数時間後、あんなに重かった肩が今では羽が生えた様に軽いです
今なら空を飛べそうな気がしました
それからボクは軽い肩を揺らして鼻歌を歌いながら帰りました。帰ったらシロナさんやレッドに疲れたらミリさんの所へマッサージしてもらうといいよって早速伝えよう!
「知らぬが仏、だよね本当に」
ボクの背中を見送るミリさんの足元に、胸に包丁が突き刺さり頭から血を流して呻く女の人の幽霊がいたなんて、ボクは知らない
**傷痕の華**