繋いだ手の先
める度、抑え切れない欲求と愛しさで頭がどうにかなってしまいそうだ。

「綺麗だ……」

「…そ、そんな…―――あっ!」

耳元で優しく、くすぐるように抱いた本心を囁けば、恥ずかしかったのか腕で隠されてしまった。その腕を強引に取り払い、まじまじと見詰めた末に胸に吸い付けば、快感と戸惑いの混じった声が飛び出す。

「やっ…あっ、……レ、ッド……!!」

「……アヤ、……!!」

愛撫の合間に名を呼ばれ、応えるように名を呼び返す。
片方の手はやわやわと触れるか否かという所で膨らみを揉み、反対の手は躯の線を確かめるよう、ゆっくりと下ろしていく。つつ…と指の腹で腹部を伝い、細い腰に手の平を添えた。そのまま最後の一枚に手を掛けたら、今までシーツを掴んでいたアヤの手がそれを拒んだ。



「……まだ…怖い、か?」

「…………っ!」



俺の躯に募った熱は、もはや限界まで昇り詰めていた。けれど、それでもアヤの躯を無理矢理に暴くつもりは無い。低い声で問い掛ければ、蒼い瞳がじわりと滲む。

それとも嫌か、と尋ねれば、ふるふると首を振る。嫌なんじゃない…――――と、泣きだしそうな弱々しい声で言われが、慣れない行為に抵抗はあるようだ。ぐっと唇を噛み締め、押し寄せる快感から逃れるように背中を向けられてしまう。



「…アヤ…………」



名前を呼べば、ちろりと栗色の髪の隙間から、蒼い瞳がこちらを見る。
もはや殆ど裸体のアヤと同じ状態になるため、着ていた衣服を脱いでいけば、はっと息を飲むのが聞こえた。



「大丈夫……」



大丈夫だから、と震える躯を抱きしめ、安心させるように背中を撫でる。俺の肩に顔を埋めたアヤは、暫くは無言で自分の躯を抱きしめていたが、ふいに俺の首に腕を回してきた。

昔は、こういった行為に嫌悪すら抱いていた。女に溺れて無作為に性を吐き出し、自分を見失うような連中を見る度、殺してやりたいくらいに腹が立った。

全てが馬鹿馬鹿しく、欝陶しかった。自分は決して、ああはなるまいと思っていた。



けれど、アヤと出会い、愛しいという感情を知り、その考えは改めた。大切な者と手を繋いで嬉しいと思う、そんな感情のずっと先にあるものなのだと、今なら分かっているから。

繋がる刹那、大好き、と囁かれたアヤの言葉に、応えるように唇を重ねる。

しとやかなを労るように、ゆっくりと互いの躯をベッドに沈めていった。



【繋いだ手の先】
不覚にも泣きそうになったのは、それだけ愛しているのだと言うこと。



復活祝いにミコマチ様より頂きましたブシャアアアアアアッッ!!もう相変わらずな彼女の才文には惚れ惚れちゃいますよ!微裏だなんてっ…微裏っ…!続きが気になるけどそれは自分の妄想でやっていきますニヤニヤニヤニヤ(*´∀`*)
ありがとうございました!





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