かち、かち、かちり。時計の長針と短針が重なりあって12時を向かえる。
(…俺も18か)
偶然目覚め、ぼーっとする頭でそんな事を考えていると枕元に置いてある携帯がメールの受信を知らせるように光りだす。
一通り返信を済ませた後、自分の隣を見てみればぐーすか寝てるこいつの顔が目にはいった…。こーちゃんの誕生日は1番にお祝いしたいの!そう言い出して勝手ベッドにはいってきたのまではいいが12時を過ぎた今、起きる気配が全くない。
思い返せばこいつとは幼なじみってやつで最近付き合い始めた。喧嘩なんてしょっちゅうだけどお互い一晩寝れば次の日にはなんだかんだ言いながら仲直りしてる気がする。
たまに見せる表情やしぐさとか今まで全然意識とかしなかったけどそーゆーとこ見ちまうとこいつも女なんだなって思う。
守ってやりたい、笑っていてほしい。柄にもなくそんな事を考える時だってある。
(こいつ俺といて幸せなのか?)
なんて思いながらこいつのほっぺたをむぎゅーっと両方ひっぱってみる。
「……っい゛だ」
(おっ、起きるか?)
「………」
(起きねぇのかよ!)
もういいや、そう思いこいつを抱きしめるように眠りについた俺が誕生日を寝過ごしていた彼女に涙目になりながら起こされるまであと数時間ー…。
「こーちゃん、こーちゃん!お誕生日おめでとう!」
何番かなんて関係ない。
こいつに言ってもらうことに意味があるのだから。