03/09 ( 04:36 )



ここでお別れだ、俺はここまでしか行けない。ここから先はお前しか進めない。「どうして」どうしてって、どうしてもだよ。こればかりは仕方ない。だって俺は、神様に選ばれなかったのだから。


灰色の世界でそいつの瞳だけが青く蒼く煌めいていた。その青が欲しい、欲しくてたまらない。その青に俺だけを映していたら良い、と思うけれどそれはそいつから色を奪うことにしかならないことを俺はなんとなく理解していたから、傍らに置くだけにとどめていたのだ。
/(欲は身を滅ぼす)


俺がここに居なければ。あの人と出会っていなければ。そうしたらあの人とあの人も出会わず、あの人の世界は美しいままだっただろうに。真っさらな色をしていたあの人の世界に、俺という汚れと彼という染みを付けたのは間違いなく俺だ。その事実に頭の悪い俺が気づいたのは、手遅れになってからだった。


あの頃のお前が記憶の隅で背けたくなるほど眩しく光る。あの頃のお前が記憶の隅で鈍い光を放ち続ける。手に入れてしまったらそれでもう一生大事にすることはないのだろう、と自分の面倒くささに溜め息を漏らす。あの頃から殆ど変わらないお前が羨ましくて、いっそのことここで2人、果ててしまおうか。





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