一つだけ置かれた椅子に先生が座り、私はベッドに腰を下ろした。
渡された本で顔を隠すように読む。やっぱりというか当然と言うか、行為の真っ最中のページ。
「…濡れそぼったそこは……パ、パンティの……上からでもくっきりと、ラビアの形を、浮かび上がらせている。責めれば責めるほどに、妖子は熱い……快楽の汁を、ほとびらせ、体をなまめかしくくねらせた……
『あぁ、お願いよ。直接触ってちょうだい……お、お豆をいじって、おま……』」
ちらりと久瀬先生を見たけれど微笑みを浮かべて聞いている。まだ読まなきゃいけないみたいだ。女の子にこの単語を言わせるなんて……
「『おまんこに、お義兄さんの……ぶっとい、お、おち……』久瀬先生〜、これ卑猥すぎます……」
「ははっ、棒読みすぎ。せっかくなんですからもっと感情込めて下さいよ」
「だ、だって!こんな言ったことない単語ばっかり……アクセントすらわかんないのに……」
それに、これを目の前の上品な顔をした久瀬先生が書いてるだなんて。先生の頭の中には私が知らないようなエッチな言葉がたくさんあって……、エッチな事もいっぱい考えてて……
それが余計にドキドキする。
じゅん、と下着が濡れるのがわかった。
コホン、と気を取り直してちょっと声を押さえ気味に読んでみた。少しはセクシーに聞こえるかしら?
「パンティを剥ぎ取ると、そこはハチミツを塗りたくったかのようにヌメリを帯びていた。尻を抱え上げ、そこを天井に晒す。あられもない姿に男は一層肉の棒を硬直させた。『丸見えだ。こんなに大きな…クリちゃんは初めて見たぞ』『言っちゃいや……ああ、恥ずかしいの。恥ずかしくて、感じてきちゃうわ……』」
読んでいるうちに久瀬先生が私の隣に座った。ベッドの軋む感じに気がついて隣を見る。
私の肩を抱いて耳の縁にキスをしてから静かに「続けて……」と囁いた。
一気に上がる脈拍は先生に聞こえてしまいそうなくらいだ。
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