「俺、車の調子が悪くて今日は電車だったの。見てたよ、芹沢に痴漢されて感じてるトコ」
「嘘……」
「芹沢にもびっくりだけど、わかるなぁ。杏珠チャン、スゲーそそる」
隣の机の椅子を脚で引っ掛けて私の隣のあたりに座った。
「こっちに来いよ。芹沢はよくて俺はダメ、なんて事ないよな?」
意地悪な笑みが片頬に浮かぶ。強引に私の腕を引いて、自分の膝に座らせた。
「や、やめて下さい……あの時は、イヤって言えなかっただけで……」
「生徒だったから?」
「そうです……だから、やめて……」
後ろから両手で胸を鷲掴みにしてくる。甘い疼きが胸から全身へと広がっていった。
「やめない。俺にもヤラシー事させてよ、センセ」
耳にキスしながら吐息混じりに囁いて、乳首の辺りを押してくる。
「いや……ぁ、触っちゃ……ダメ」
「ここ?乳首弱いんだ。まだ服の上からなのにそんな甘えた声出して」
耳に、首筋に、うなじにも鼻先を埋めるようにキスをする。流れるようなその動きがとても官能的で思わず身を任せたくなった。
抵抗しながらも目を閉じてしまう私。
恭介先生はシャツのボタンを外し始める。今日、こうされるのは二度目だなとぼんやり考えた。
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