ココアを二つ。珍しく苺牛乳以外の飲み物を飲みたくなった
俺のは甘めで砂糖は二杯半


「ココア煎れたけど飲む?」

「うん、ありがとう」


ソファーに座ってテレビを観ている彼女にココアを渡して自分も彼女の隣に座った
右手はココア、余った左手を彼女の手に絡ませようとしたけど彼女は両手でカップを持っていたのでそれは叶わなかった
仕方ないので俺の左手を彼女の膝の上に置いた


「なあに?」

「んー?」


ココアを飲みながら彼女の膝を緩く撫でているとやっとテレビから目を話して俺を見てくれた


「ふふふ、くすぐったいよ」

「んふふ」


彼女がカップから手を離したので彼女の右手に俺の左手を絡めて瞼や頬や額にたくさんキスをする
首筋を鼻で撫でると彼女の匂いがしたので肺いっぱいに吸い込んだ


「銀ちゃんの手って大きいね」

「お前の手がちぃせぇんだよ」

「えー?」

「お前のてはもちもちしてて気持ちいな」


すべすべでもちもちの手は俺の手みたいに骨っぽくなくて、丸くて小さくて、あぁ女の手だなって思った


「ココア冷めちゃうよ」

「そんなすぐに冷めたりしねぇよ」


片手を繋いだまま彼女を俺の足の間に座らせた
小さい彼女は俺の腕の中にすっぽりと収まる
彼女の首筋に頭を付けてぐりぐりしていると繋がれた手の親指の付け根を優しく撫でられた


「お前はいい匂いがする」

「シャンプーも洗剤も銀ちゃんと同じだよ?」

「でも違う匂いがする。甘い匂い」


首筋をかぷっと甘噛みしたら手の皮を抓られた


「いてっ」

「食べないで」

「食べてねぇよ、味見」

「ふふふ、味見?」

「味見、味見」


何も面白いことなんか無いけど自然と笑みがこぼれた
彼女も笑ってるしなんか今すっげー幸せ


「好きだよ」

「俺も」


彼女の唇は甘い


Thank you!
1st Anniversary!!

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