「待てやコラァァァアッ!!!」


コーラまみれの晋助が声を荒げながら私と銀時を追いかけてくる
私達が廊下を全力疾走するのはよくあることなので廊下にたむろする生徒達はまたかといった様子だ



銀時とは悪友とでも言うんだろうか、一緒に何か馬鹿なことをやったり晋助をからかったりしてなんやかんやで常に一緒にいる友達だ
因みに今回の悪戯は振りまくったコーラを晋助にあげただけ(予想通りなんの躊躇いもなくプルタブを開けた晋助はコーラまみれになった)



「ぎぎぎ銀時…!!ぜェ、ハァ…肺が!肺が潰れる…!ハァ、ハァ」

「おまっ、体力なさすぎだろ!高杉に捕ま…うがっ!」


既に虫の息だった私は銀時にヘルプを出した
マジで死ぬ!けど後ろには片目の鬼が馬鹿みたいな勢いで追いかけてくるので止まれない
銀時は走りながらわざわざ私の方に顔だけ振り向むかせていたので前を見ていなかった
前を向いていなかった銀時は教室の前で待ち構えていた辰馬にラリアットをかまされて私より後ろに吹っ飛んだ



「銀時ィィィイッ!!!」

「うぇっ、ゴハッ…ゴホッ!な、何しやがんだ…毛玉…」

「や、やっと追いついたぜ…!」

「次の授業が始まるきに迎えに来たぜよ」

「ほら、お前も教室に帰るぞ。高杉も立て」


銀時と晋助は辰馬に、私は小太郎に連れて帰られてしまった


「はぁ…」

「人にコーラぶっかけといてため息つく権利あると思ってんのかてめぇ」

「うっせー」


辰馬に連れ帰られたがうちのクラスは生憎担任不在のため自習
誰も真面目にプリントなんかやるわけねぇからやりたい放題
俺とジャージに着替えた高杉は雑談
辰馬は辰馬で机に突っ伏して寝ている



「まぁたやっちまった…」

「は?」

「今日は一日かっこよくキメてマイハニーに放課後告白する予定だったのによぉ」

「ハッ、お前まだ言ってなかったのかよ」


高杉は俺の悩みを鼻で笑った
シバくぞ片目コラァ

マイハニーとか言ってるけど彼女ではない。俺の片想い
さっきまで俺と一緒に高杉に追いかけられてたアイツ
俺の隣のクラスの奴、因みにヅラと同じクラス(羨ましいとか思ってないから!!)
彼女とは仲が良い。悪友っつーかいつも一緒にいると馬鹿なことばかりやってしまう
餓鬼くせぇと思われてねぇかな
彼女も俺のことは嫌いではないと思う
けどそれは友達としてだし、告白してフラれて気まずくなってもう話すことも出来なくなるとかそんなことになったらヤダ



「はぁ〜…どうしたもんかなー…」

「かっこよくとか考えるからわりぃんだろ。普通にしろや普通に」

「…まず告白する勇気がねぇ」

「とんだヘタレだなテメー」

「死ね」

「何でだよ!」



場所は変わって隣の教室

「はぁ…」

「どうした?分からない問題でもあったか?」

「あぁ、いや、違う違う」


授業中に小さくため息をついたら隣の席の小太郎にも聞こえてしまったらしく問題が分からないのかと問われた
違う、違うよ小太郎くん
私は悩んでいるのだよ



「またやっちゃったなー…」


銀時に可愛く見られたいのに一緒になって馬鹿なことばかりしてしまう
他の可愛い女の子は男の子と一緒になって振ったコーラを人に渡したりはしないんだろうなぁ…
あー好きだなぁ好きだなー…
けど告白は出来ないんだよなぁ
何度か挑戦して失敗に終わったことがある…
関係が崩れるかもしれないけどやらないで後悔するよりやって砕けた方がまだマシだ
けど告白しようと思って銀時とふたりきりになると緊張しちゃって頭が真っ白になって結局は告白しないまま終わってしまう



「うまくいかないなぁ…」

「………。銀時のことか?」

「…よくわかったね」

「なんとなくだ」

「そっか」

「告白しないのか?(お互いに好いているのに…)」

「それがね、うまくいかないのだよ小太郎くん」

「何故だ」

「何でって…ふたりきりになると緊張しちゃってうまく言えないの」

「んー…なら二人じゃないときに言えばいいんじゃないのか?」

「は?みんながいるところで告白しろって言うの?無理!」

「それもそうだな…」

「可愛くみられたいのになぁ…可愛くないことばっかりしちゃうんだ」

「(あいつはそんなところも可愛いと思っているんだろうな)」

「はぁ…」



明日はきっと告白するさ!

言い訳

thank you!
1st anniversary!!

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