「ベル」

「!」

「なによその顔」

「おまっ…!なんでこんなとこにいんだよ!」

「起きたらベルが居なかったから捜しに来たの」

「ちょっと喉渇いたから飲み物取りに行っただけだし。王子も部屋戻るからお前も戻れ、腹の傷口開いても知らねぇよ?」

「ちぇー」



ベルの誕生日
私は任務を任され敵地に乗り込んだ
そこで油断してお腹に鉛玉をぶち込まれて死にそうになった
そんな私の前に現れてそれこそ王子の如く助けてくれたのは目の前にいる彼だ


私はヴァリアーに着くまでに意識を失い約3週間も眠っていたそうだ
目が覚めたとき一番に視界に入ってきたのは綺麗な金髪だった
それはベルの髪で彼は私が起きたことに気づくと骨が折れるくらいきつく抱きしめてきた


そして暫くして元気になった私は再度ベルに告白
おせーよバカと言われた挙げ句しししっと嬉しそうに笑って唇が腫れる程キスされた


私はまだ完治していないので部屋で療養中
ベルは仕事がない日はずっと私の側に居てくれる
付き合う前まではツンデレだった彼が今では凄い甘えたになってしまった
でもそんなベルを可愛いと思いキュンとしてしまう私はバカなのだろうか



「よっ」

「ひやぁっ!」

「かっるー飯ちゃんと食ってる?」

「たたた食べてるよ!」



ベルは私から松葉杖を取り上げるとそれを腕に通し、突然私をお姫様だっこするとそのまま歩きだした



「王子追いかけて来て傷口開いたとかやだかんね」

「…ありがとう」



私の顔を覗くベルの顔が優しくてなんだか恥ずかしくなって彼にぎゅっと抱き着いて首筋に顔を寄せた



「うししっ照れてんの?お前可愛いね」

「う、あっ」

「何言ってんのかわかんねぇし。ほら着いたぜ」



ベルは足でドアを開けるとベッドに直行して私を優しく下ろしてくれた
自分はベッドの縁に腰かけると私の手を握ってきた



「手ぇ柔らかい」

「そう?」

「ん、女の手」

「私女の子だからね」

「そうだなぁつーかちっちゃくね?」



私の掌とベルの掌を合わせると私の手はベルの手に比べて1回りか2回りくらい小さかった



「これからはオレが守ってやるから安心しろよ」

「ホント?」

「ホント」

「ふふふ、じゃあよろしくね」

「当たり前じゃん、だってオレ王子だもん姫守って当然じゃね?」

「姫?私が?」

「王子の女なんだから姫に決まってんじゃん」



しししっと笑って私の手を親指で撫でていたいたベルがふと真剣な顔付きになって私のお腹に傷が痛まないように優しく手をおいた



「ベル?」

「オレが絶対守ってやるから」

「ん?うん、聞いたよ?ありがとう」

「もうこんな怪我二度とさせねぇから」

「うん、ありがとうベル」

「ん、」



ベルはちゅっと触れるだけのキスをしてきた



「一緒にお昼寝しようベル」

「いいぜー」



ベルはブーツを脱ぐと私の横に寝転んで手を繋いできた



「ホントはぎゅってしながら寝てぇけどまだ怪我完治してねぇし我慢〜」

「えへへっありがとう」

「完治したらもっとイチャつこうな」

「やだー何その恥ずかしい約束」

「恥ずかしくねぇし王子の愛情表現じゃん!」

「それが恥ずかしい」

「じゃあもうキスしてやんねぇよ?」

「…うっ!」

「うししっうっそー!大好き、キスしねぇわけねぇじゃん」

「は、恥ずかしいから止めて!」

「マジで日本人照れ屋だな」

「ベルはストレート過ぎると思うよ…」

「そんなことねぇし。まぁいいや寝ようぜ」

「そうだね」

「起きても手ぇ繋いでたらいいな」



そう言ってベルは繋がれた手に唇を触れさせた



「おやすみ。起きたら隣に居ろよ」

「ふふふ、おやすみベルフェゴール」






091222 title by xx

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