朝起きて一番に逢いたいのはマイハニー!
いつもそうだけど、今日は特に一番に彼女に逢いたい!
顔を洗ってすぐに部屋を飛び出して談話室に向かう
もしかしたら食堂かもしれないし、まだ自室にいるかも知れないけどなんか彼女は談話室に居る気がするから取り合えず談話室!
バタンッ!っと談話室のドアを開けると音にびっくりしたのかその場にいた全員が俺を見た
そんなこと気にせずに談話室をぐるっと見渡すと窓際に彼女が居るのを発見(やっぱり俺の勘は当たってたさ)
「Hey!my sweet honey!」
「………何?」
「あん!もう!冷たいさー」
「冷たいんじゃなくて引いてるんだよラビ。なんで今日そんなハイテンションなの?」
「んふふ!」
「えぇー…なにー…」
「今日は何の日でしょう!」
「ん?ラビの誕生日でしょ?」
「あれ、案外あっさり答えてくれるんさね。ベタな話だと彼氏の誕生日忘れてるかツンデレで知らないフリしてあとでプレゼント渡すとか…」
「彼氏の誕生日忘れるほどバカじゃないよ?私ツンデレじゃないし、大好きなラビの誕生日忘れるわけないでしょ!」
「(きゅん!)」
「あ、因みにね、8月10日はグレゴリオ暦で年始から222日目にあたって年末まであと143日あるんだって!222日目だよ!キリがいいね!」
「俺はハニーのそのちょっとズレた思考も含め愛してるさ」
「?」
分からないらしく微笑んだまま軽く首を傾げている姿は世界一可愛いと思う
彼女の後ろに回り、椅子に座る彼女を背もたれごと抱きしめて肩に顎を乗せる
「もうー…ラビ重いよー」
「んふふ、ねぇ何読んでるんさ?」
「ん?これ?」
彼女の膝の上に乗せられているのは見た目からして料理本だと思われるがわざと訊いてみる
「私、今日仕事お休みだからジェリーさんに頼んで厨房の隅でも借りてラビになんか作ってあげようかなーって」
「焼肉食いたいさー」
「焼肉って…私作る意味ないじゃん」
「いいじゃん」
「……ケーキにわさび塗りたくるよ」
「……ごめんさ」
わさびはマジで勘弁さ
と云うかせっかく料理作ってくれるって言ってんのに焼肉はやっぱり酷いよな
野菜切るぐらいしか仕事ないし
でも焼肉が好きなんさ
「ごめんな?」
「もういいよ」
「ね、料理作って」
「えー…」
「ね、お願いさ」
「もう…しょうがないなあ」
彼女は困ったように眉を下げて笑った
彼女が笑うと何とも言い難いほわんとした気持ちになる
「あぁーっ!なんで俺今日仕事なんさぁぁぁあっ!!」
「コムイさんに言うのね」
「泣きながら頼んだのに僕だって大変なんだよ!って泣き返されたさ」
「ふふふ、ラビ泣いたの?」
「それほど一緒に誕生日過ごしたかったんさ!」
俺がむくれるのを無視して彼女は腹に回されていた俺の手を解くと椅子立ち上がり、一度解いた俺の手を握った
「ほら、朝ごはん食べに行こう」
「あぁー…んー…」
「帰ってくるまでにいっぱい料理作っておくね!ケーキはもう昨日から作ってあるの」
「んー…プレゼントはないんさ?」
「それも帰って来てから」
もっと一緒にいたくて渋る俺だが彼女と手は繋いでいたいので渋々食堂まで続く廊下を歩く
「帰って来たら、さ」
「ん?」
彼女は一旦立ち止まって背伸びをすると、まるで内緒話でもするかのように俺の耳に口と繋いでない方の手を近づけた
俺も彼女が喋りやすいように上半身を彼女の方に傾ける
「帰って来たらね」
「うん」
「ちゅうしてあげる」
「!」
彼女の爆弾発言に思わず繋いでいた手を離すと彼女は走って行った
「あ、ちょっ、待っ…」
「ふふ!」
彼女は振り返って可愛らしく笑うとまた走った
呆気に取られていた俺もハッとして彼女を追いかける
追い掛けてダーリン
僕はもう君にメロメロさ!
ラビ誕生日おめでとう\(^O^)/
090810