「じゃあ開けるか!」



各自自分が引いたプレゼントの包みを開ける
総悟と近藤さんもっと綺麗にあけようよ…



「………ありえねぇ」

「総悟誰の当たったの?」

「これ見りゃわかるだろィ」


そう言って総悟が見せてきたのはマヨネーズ
あぁ…うん、プレゼントにマヨネーズはちょっと……


「マヨネーズって…んなもんプレゼントされなくても家の冷蔵庫開けりゃ入ってまさァ」

「お前言っとくけどそれキュー○ーの新作マヨだからな!」

「知りやせんよそんなこと」

「あ、俺当たりだ」


退が手に持っているのはマフラー
私のプレゼントだ
ちなみに当たりとは毎年私以外ろくなプレゼントを用意しないのでいつの間にか私のプレゼントは当たりと称されるようになった



「一応訊くけどこれ誰の?」

「はーい私ー」

「やっぱりね」

退冬でもミントンするし丁度いいんじゃない?」

「うん!これ巻いて頑張るよ!」


嬉しそうにマフラーを巻いてみせた退
退なら大事に使ってくれそうだしよかった
あ、なんか総悟が退の後ろに…


「ぐえっ!」

「ジミーのくせに生意気でさァ」


退の首に巻かれたマフラーを思いっ切り引っ張って首を絞める総悟
マフラー伸びるからやめて


「総悟ォォォオッ!!!」

「うるせーな土方コノヤロー」

「コレお前だろ!?」


トシが手に持っているのはトシの写真が張り付けられた藁人形


「チッ、本人に当たっちまった」

「テメーふざけんじゃねぇぞコラァ!」

「うわっ!ちょっと二人共暴れないで下さいよ!」


暴れだしたトシと総悟
被害者退
私は避難するために近藤さんの側に来た


「近藤さんプレゼントなんだった?」

「ん?あぁ、俺はこれだ」


ミントンのシャトル
わあー間違いなく退だね


「退だね」

「あぁ、間違いなくザキだ」

「頑張ってミントンやってね」

「いやラケットないから」


可哀相に
使い道無いもの貰ったね


「伊東くんはなんだったの?」

「これ……」

「あぁ、うん、私だよ」


伊東くんに渡ったプレゼントは私がお兄ちゃんにあげるはずだった革の手袋


「ダサくてごめんね」

「いや、そんなことないよ。ありがとう」


「ところでもうプレゼント開けたの?」

「あぁ、まだ開けてなかった」


トシ達から避難してきた退に訊かれてようやくプレゼントを開けた
残るは近藤さんからのプレゼント
近藤さん自身が欲しがるプレゼントって何だろう


「……………。」

「……………。」

「…いらないね」

「うん…ていうかコレ持ってたら本人に殺されそう」

「おっ!俺のプレゼント引いたのか!」



何故か嬉しそうな近藤さん
いや貴方このプレゼント犯罪だから



「近藤さん、コレいらない」

「えっ!?何で!?」

「持ってたら殺されそうなんで」

「つーかコレ盗撮ですよね?」

「お妙さんの生写真気に入らなかったか!?」



そう…私が貰ったプレゼントとはお妙さんの写真五枚
いやだってこれどれもお妙さんカメラ目線じゃないし明らかに隠れて撮りましたよねコレ
こんな隠し撮りの写真持ってたらお妙さんに殺される…!!



「証拠隠滅してやりましょうか?」

「どうやって?」

「こうするんでさァ」



総悟はトシのライターを奪うと写真を灰皿に乗せて火をつけた
確かに証拠隠滅だけどなんかお妙さんが可哀相なんですけど



「あぁぁああぁあっ!!!お妙さんがァァァアッ!!!お妙さんが燃えて逝くぅぅぅうっ!!!」

「ちげーよ!燃えてんのはお妙さんじゃなくてあんたが隠し撮りした写真だよ!あんたの頭の中どうなってんだよ!」

「やっぱ今年もろくなもんねぇな」

「みんな自分が欲しい物用意するから悪いんだよ」

「俺は別に土方さんの藁人形なんていりやせんけどね」

「俺だって何んで自分の藁人形なんかプレゼントされなきゃなんねぇんだよ」



また喧嘩を始めたトシと総悟
落ち込んでいる近藤さん
それを慰める退
賑やかだなーこの人達は



「伊東くん」

「ん?」

「来年は伊東くんのプレゼント楽しみにしてるよ」

「ふふふ、わかったよ」

「メリークリスマス伊東くん」

「メリークリスマス」







(テメーこら伊東!何メガネのくせに二人でいい雰囲気になってるんでィ!)
(別にいい雰囲気とかそんなんじゃ…ていうかメガネ関係ない)
(マヨネーズ返せ総悟ォォォオッ!!!)
(とりあえずトシが煩いから総悟はトシにマヨネーズ返しなさい)
(うぅっ…お妙さん…)
(もうなんだよ!お前ら全員めんどくせーよ!)

091225 title by にやり

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