「じゃあ改めて、メリークリスマス!」

メリークリスマース!



みんなでジュースが入ったグラスをぶつけて乾杯する
トシと伊東くんはグラスを軽く上げただけだけど
ケーキを切り分けてみんなに配っていた隙に総悟に砂糖で出来たサンタさんの飾りを奪われた
悔しかったので退とチョコを半分に分けてやった
トシと伊東くんは甘い物が苦手らしくて勝手にチョコでも砂糖でも齧ってろと言われた(トシに)
近藤さんはいっぱい食べて大きくなれ!とかお父さんみたいなことを言い出して私と退に快くチョコを譲ってくれた
ハッハッハッ!ざまあみろ総悟!チョコはいただいたぞ!


暫く飲んで食べて騒いでたら伊東くんがあまり喋ってないことに気付いた



「伊東くん伊東くん」

「なんだい?」

「もしかして誘われて迷惑だった?」

「そんなことないよ…誘われて凄く嬉しかった。ありがとう」

「えへへっ!よかったー」

「僕は家庭がその…ちょっとアレだから、自分が大きくなってからは誰かとクリスマスを一緒に過ごしたことが無いんだ」

「伊東くん…」

「お前ちょっとアレって濁し過ぎだろィ」

「…大丈夫だよ伊東くん!今年はみんなが居るし来年も一緒に過ごそうね!」

「マジでか。来年もコイツと一緒に一日過ごさなきゃなんねぇのかよ」

「つーか俺のことは無視ですかィ?」

「ありがとう…」

「なぁなんで二人共さっきから無視?なんで二人の世界に行っちゃってんの?なぁちょっと聞いてる?」

「よーし!じゃあそろそろプレゼントを交換しよう!」

「あんたは空気読めェェェエッ!!!」



なんか変な空気になってたけど近藤さんの一言でプレゼント交換を始めることになった
伊東くんにプレゼント交換について説明すると自分だけプレゼント用意してないことを詫びて申し訳なさそうにしていた



「各自プレゼントの投下は完了したな?」

はーい

「投下て…」

「じゃあじゃんけんするぞ!」

「あ、僕はプレゼント持ってきてないし遠慮しておくよ」

「ダメダメ!一人だけ貰えないとか可哀相だよ!」

「どうせ大したもんじゃねぇんだし参加しときなせェ貰えるもんは貰っとくべきだぜ」

「伊東の分の提供者が…ね、」

「何その間」

「だが…」

「あーもう!いつまでもうだうだ言ってんじゃねぇよ!参加しろっつってんだから大人しく言うこと聞けよ!」

「みんな楽しければそれでいいじゃないか!」

「………じゃあせめて1番最後に引かせてくれ。僕は残り物で構わない」



それで意見がまとまり伊東くんを抜いてじゃんけんした結果
総悟、退、私、近藤さん、トシ、伊東くんの順でプレゼントを引くことに決まった



「あんたのプレゼント狙いでいきまさァ」

「えーそんな良いものじゃないし狙うのとかやめて」

「嫌でィ」



総悟が穴に手を突っ込んで取り出したのは長方形のプレゼント
プレゼントを開けるのはみんなが引き終わった後にいっせいに開けるので引き終わった人はプレゼントを持って待機


「次は?」

「俺です」


退が取り出したのは中くらいのプレゼント


「次は私かー」

「自分のが当たらないといいね」


私が取り出したのは手袋くらいの大きさのプレゼント


「俺は出来れば自分のプレゼントがいいな!」

「あんた何入れたんだ」


近藤さんが取り出したのは細長い長方形のプレゼント


「…総悟のは嫌だな」

「俺もあんたのだけは嫌でさァ」


トシが取り出したのは私のより少し大きめのプレゼント


「じゃあ…」


最後に伊東くんが取り出したのは私のと同じくらいの大きさのプレゼント




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