「うぉおっ!!ただいま!寒い!!炬燵っ!」

「おかえりー」



俺は名前の横に滑り込むようにして炬燵の中に入った
あー…天国…
数分前にやったババ抜きで負けた俺は一抜けの高杉の命令によりさっきまでコンビニに買い出しに行っていた



「早く行こうと思ってスクーターで行ったのが間違いだった!」

「あんたスクーターで行ったの?馬鹿じゃん」

「マジで寒かった!顔面取れるかと思ったわ!つーか取れてない!?」

「顔が取れるわけないだろう」

「冷えきったた銀さんを名前ちゃんの体であっためて!!」

「ぎゃあっ!冷たい冷たい!抱き着くな!」

「うおっ!?ひやッ!!金時足ばくっつけるな!」



名前に抱き着くと殴られた
炬燵の中で辰馬に足をくっつけると蹴られた
お前ら…俺が極寒の中お前らの欲しいもん買って来てやったのに何だこの仕打ちは……


「つーか買ったもん早く出せよ」


なんだこのチビ
炬燵の板に顎を乗せて背を丸くした状態で催促してくる高杉
なんかムカついたから高杉の目に向かって蜜柑の皮の汁を飛ばしてやった



「ぐあっ!目が…目がぁ…っ!!」

「え、ム●カ?」

「名前何まんだっけ?」

「あたしピザまんー」

「ん、ほら」

「ありがとうー」



コンビニの袋からまだ温かいピザまんを出して名前に渡してやると喜んで食べだした



「辰馬は肉まんだっけか」

「ん、おーきに金時」

「銀時だっつーの」

「小太郎さっきから誰にメール打ってるの?」

「ん?今のうちにエリザベスへのあけおめメールを作っておこうと思ってな」

「おんしはどこの女子高生なんじゃ」

「女子高生じゃない!桂だ!」

「うるせーよハゲ!ほらコレお前が頼んだんまい棒のコンポタ!」

「ん、すまんな銀時」



俺からんまい棒を受けとったヅラはそれを齧りながらまた黙々とメールを作成しだした
なんか腹立つわー



「おい、俺のプリンは」

「銀時様寒い中ありがとうございましたって言ったらやるよ」

「誰がそんなこと言うかボケ!」

「ならやんねー」

「ふざけんな糞天パ!」

「誰が糞天パじゃコラァァアッ!!!」

「もうっ!煩い!集中してメール打てないでしょうがァァアッ!!銀ちゃんも意地悪しないの!晋ちゃんもちゃんとありがとうって言いなさい!」

「え、お母さん?」

「誰が晋ちゃんだカス」



つーか高杉プリンってなんだお前
そのナリでプリンってなんだお前
馬鹿かお前、死ね



「あ、銀時おでん買ったんだーいいなー」

「なんか食うか?卵以外な」

「じゃあ大根」

「ん、あーん」

「あーん」



大根を食べやすい一口サイズに割って名前の口の前に持っていくと、名前はなんの躊躇いもなく箸を口に入れた
もごもごと大根を食っている名前を見ているとなんか小動物に餌をやっているような気分になった



「アッハッハッ!」

「わっ!びっくりした!どうしたの辰馬」

「何で突然笑い出すんだよ気持ちわりーな」

「いや、テレビが面白かったきに」



テレビでは芸能人とアナウンサーがなんかやっている
何が面白いんだコレ
テレビ画面の端には時間が表示されている
ただ今午後23時57分



「後3分だな」

「2010年かーあたし何年まで生きてるかな」

「俺3000年まで生きるし」

「おんしは超人か」

「ちょっ、卵滑って掴めねぇ!これ何か今年中に掴めねぇと俺気分的に年越せねぇ!」

「なんでだよ。てか卵刺せばいいじゃん」

「刺したら卵が可哀相だろ!」

「意味がわからん」

「あ、あと7秒」

「え!?」

「…っしゃ!掴めたッ!!」

「5」

「ふぉん(4)」もぐもぐ

「3!」

「2」

「1!」

『あけましておめでとうございます!2010年です!!』



テレビのアナウンサーの声が俺達の耳にも届いた



「あけましておめでとう」

「あけおめ」

「えへへっ今年もよろしく!」

「よろしゅうなー」

「乾杯するか、お前ら酒持て酒!」

「待って待ってセンター混んでてエリザベスにあけおめメール送れない!」

「後にしろよーどうせ0時5分くらいまでセンター混んでるって」

「名前、俺の酎ハイ取って」

「わしのビールも取ってくれ」

「はーい」

「よーし、全員酒持ったな?…んじゃあ2010年も騒ぎまくるぞぉぉおっ!かんぱーい!」

かんぱーいっ!!


A HAPPY NEW YEAR!


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