「名前さん、スカートが短過ぎます」

「たるんどる!」


部室に入っていきなり風紀員コンビに捕まってしまった。
そんなに短くないと思うけどなー…つーか真田はたるんどる!しか言えないのか


「まったく…何のためにそんなに短くしているんですか?ふしだらです!」

「ふしだらって…うーんそうだなぁ強いて言うなら……比呂士にパンツを見せてあげるため、かな?」


スカートの裾を持ってチラッと捲ると、風紀員コンビは顔を真っ赤にした。後ろで幸村と柳がクスクスと笑っていて、仁王とブン太と赤也がニヤニヤと厭らしく笑っている。


「からかわないで下さい!」

「たるんどる!たるんどるぞ!」


柳生は真っ赤な顔をしてズレてもいない眼鏡を押し上げた。なんだかその照れ隠しのような仕草にキュンとしちゃったんだけどコレ、なんてフラグ?
つーかやっぱり真田はたるんどる!しか言えないのか


「名前が柳生にキュンときた確率97%」

「うわーよく分かったね」

「お前の顔を見れば分かる」

「嘘じゃろ、こんな堅物眼鏡のどこにキュンときたんじゃ」

「仁王にはない純粋さ」

「…プリッ」


いや、仁王も仁王でいい奴だけどね!でも柳生みたいに照れたりしないじゃん!もしかしたら照れてんのかも知れないけどねっ


「じゃあお前、純粋無垢な俺にめろめろじゃん」

「五月蝿いよ。そんな破廉恥パンチな頭した奴が純粋無垢なわけないじゃん」

「破廉恥パンチって何!?つーかどの辺が破廉恥!?」

「強いて言うなら髪が赤いところが破廉恥」

「氷帝の向日も青学の菊丸も似たような色してんだろぃ!」

「彼らはなんかこう…滲み出る無邪気さみたいなもんがあるでしょうが!」


氷帝の向日くんとか超可愛いよね!何あの「飛んでミソ!」って!ミソって何!?可愛いから別になんでもいいけどねっ


「赤也はまぁたぶん純粋だよね!つーか純粋であって欲しい」

「中二なんて1番煩悩だらけの時期ぜよ」

「そうそー、特に中二の夏」

「ちょッ!先輩達勝手なこと言わないで下さいよ!」

「じゃあ赤也はエロいこと考えんのか?」

「ホントはエロ本くらい持ってんだろぃ?」


ニヤニヤとした仁王とブン太に絡まれた赤也は図星なのか怒っているのか顔が赤かった。
うん、まぁ…赤也も男の子だし、ね…


「と、とにかく名前さんは早くスカートを直しなさい!」

「お母さん、お兄ちゃん、隣の比呂士くんがあんなこと言うよー」

「ふふふ、俺がお兄ちゃんか…うん、悪くないね」

「まさか俺がお母さんに選ばれるとは…」

「柳はなんやかんやで面倒見がいいと思うし」

「なんでもいいから早くスカートを直さんか!」

「お兄ちゃん、直さきゃダメ?」

「うーん、そうだね、直そうか」

「えー!」


お兄ちゃんこと幸村なら直さなくてもいいって言ってくれると思ったのに!まさか裏切られるとは…絶望した!


「うー…」

「名前の足を他の奴らに曝すくらいならダサくても長めのスカートを履いててもらいたいんだ」


ね?っと少し困った感じの笑みをうかべながら緩く首を傾ける幸村
ちょ、キュンとしちゃったんですけどお兄様ッ!心臓鷲掴みですよ幸村様!


「ごめんね幸村!直ぐに戻すねっ!」

「うん、名前は聞き分けがいいね」

「んふふ!」

「ふふふっ」


気のせいか二人の周りにはふわふわと花が浮かんでいるように見えた部員達であった。


「……蓮二、何故あいつは俺の言うことは聞かないのに幸村の言うことは聞くんだ」

「諦めろ弦一郎、誰も精市には勝てないのだ」


END

ジャッカル君は風邪でお休みらしいです\(^O^)/←

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