6月26日
俺は至急坂田家に来るよう名前からメールを受けた。
少し私用が有り遅くなってしまったため、俺は急いで坂田家に向かい、坂田家の戸を開けた。
「すまん、遅れ……」
パァァァアンッ!!!
『ヅラ、誕生日おめでとうー!』
ポタッ ポタッ…
「…………。」
なんで玄関入って三秒後に顔面アイスまみれ?
「貴様ら…」
「アイス、美味しかった?」
「食えるかァァァアッ!!」
玄関開けて三秒で顔面にアイスがスパーキング!!
名前の手には苺、銀時の手にはバニラ、高杉の手にはチョコ、坂本の手には抹茶味の空になったアイスのカップがあった。
「何故俺は貴様らに顔面にアイスを投げつけられたんだ!」
「お祝いだよお祝い!小太郎今日誕生日でしょ?」
「お祝い!?なんで誕生日なのにアイス投げつけられたの!?」
「最近暑くなってきたからアイス食いてぇなーって高杉が言い出して」
「じゃあヅラの誕生日祝いアイスパーティーでよくねぇ?ってなって」
「アイスをスパーキング!!」
「旨かったか?」
「だから食えるかァァァアッ!!!」
なんでスパーキングする必要があったの!?普通に食わしてくれればいいじゃん!!俺今日誕生日なのに顔からアイス滴り落ちてるんですけどォォォオッ!!!
つーかなんで四ついっぺんに投げつけんの?せめて味一つに絞れや!
「ちょー、なんでお前そんな怒ってんの?」
「俺じゃなくても怒るわ!!ゴリラでも怒るわ!!」
「おんしの基準がようわからん」
「まぁまぁ、そんなに怒んないでよ小太郎ー業務用スーパーでなんかあの、掬って食べる業務用アイス買ってきたから食べようよ」
「なんで業務用!?普通のでよくない!?」
「だって銀時と晋助がこんくらいあった方がいいとか言うから」
「絶対腹壊す!お腹ぴーぴーになっちゃうゾ!」
「後半うっざッ!!」
「大丈夫だ。糖分王の腹を信じろ!因みに今、家の冷凍庫壊れてるからお前ら絶対今日中に食い切れよ」
「無理ィイッ!!絶対無理ィィィイッ!!!」
「まぁとりあえず食おう」
タオルで顔に付着したアイスを拭き取り玄関からリビングに移動した俺と愉快な仲間達
そして俺の目に飛び込んできたのはテーブルに並べられた三つの業務用アイス
「なんで三つゥゥウッ!?更に腹壊す危機性が増したんですけど!」
「小太郎、普段はボケなのに今日はよくツッコむね」
「ほら、誕生日やきテンションあがっちゅうよ」
「そっかー喜んでるんだね!」
「違うからァァァアッ!!!」
「アイスが三つあるのは高杉の所為です」
「はぁ!?お前がバニラがいいっつって譲らねぇからだろ!」
「あぁん!?おめぇがチョコ諦めりゃよかっただろうが!」
「やっぱり貴様らか!じゃあせめて二つで良かったじゃん!あと一つ何!?」
「小太郎は抹茶のが好きかなって」
「要らない気遣いィィィイッ!!」
「今日のヅラなんかうざいぜよ」
「お前にだけはうざいとか言われたくないわ!!」
「はい、スプーン」
「小さいスプーンじゃなくて大きいスプーンなんだね」
「小さいスプーンじゃ時間かかるだろ」
「いざ、実食!」
「アホか」
俺達は業務用アイスにザックリとスプーンを突き刺した。
俺と坂本が抹茶、銀時と名前がバニラ、高杉だけがチョコ味だ。
「ちょ、なんで誰もチョコ食わねぇんだよ!」
「嫌いじゃないけど味が濃いからすぐ飽きそうだし」
「飽きるわけねぇし!」
「んだよコイツうぜーな」
「死ねばいい」
「なんでだよ!」
「もう腹痛い」
「早ッ!!」
「まだ三口くらいしか食べてませんけど!」
「言わんこっちゃない」
坂本は早くもスプーンをおいた。
「わしギブ」
「やめてェェェエッ!!食べてェェェエッ!!俺を一人にしないでェェェエッ!!!」
「お前どんだけ一人で食うの嫌なんだよ!なんでそこまで腹壊すことに対して恐怖を抱いてんの!?」
「晋助は黙々と食べてんね」
「チョコうます」
「バニラ飽きたー」
「ちょ、名前ちゃん!ちゃんと食べなさい!」
「だってー」
「チョコ飽きた」
「お前さっき飽きねぇつってたじゃねぇか!!」
「一人で食ってたらそら飽きるわ!」
「なんで逆ギレしてんの?」
「ほら坂本!ちゃんと食え!」
「うぅ…きつい、痛い、死ぬ」
「小太郎、辰馬泣いてんよ!?」
「無駄だ!あいつは今アイスの鬼と化している!」
「アイスの鬼って何!?」
「ちゃんと食わんかァァァアッ!!」
パァァァアッン!!
「ぐはっ…!!」
「何故辰馬の顔面にアイスをスパーキングゥゥウッ!?」
「しっかりしろ!辰馬、辰馬!?辰馬ァァァアッ!!」
「ハッハッハッ!貴様らにアイスを完食さすまで俺は帰らんからな!」
『コイツうぜェェエッ!!』
「チョコ、飽きたな…」
翌日、俺らが腹を壊したのは言うまでもない。
END
ぐだぐだ感最強
桂さん誕生日おめでとう!
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