深夜、さっき任務から帰って来たばかりの私はへとへとでやっとベッドでゆっくり寝れる!と思って自室の扉を開けたら何故か私のベッドの上にベルが居た



「しししっおかえりー」

「た、ただいま…じゃなくて何で私の部屋に居るの?」

「お前の帰り待ってたんじゃん王子やっさしー」

「待っててくれたのは嬉しいけど勝手に部屋に入らないでよ!」

「彼氏なんだし別に良くね?」

「良くない!」



ベルには悪いけど今日は本当に疲れた
寝たい…!!眠い!とにかく私は寝たいんだ!
ベルはそんな私の気持ちなど無視して、私からコートを脱がすと手を引いて私をベッドに上げた



「ベル〜…私寝たいよぉ…遊んで欲しいなら後で遊んであげるから今は寝かせて…」

「オレ別に遊んで欲しいわけじゃねぇし」



じゃあ何なんだ、何がしたいんだ
何故私は今ベッドの上でベルと向かい合って座らされているんだ
用事がないなら寝かせてくれ



「おいっ」

「!?」

「寝てんじゃねぇよ」



目を瞑ってうつらうつらしていたらベルにビンタされた
加減はしてくれてるみたいだけど頬が少しビリビリと痛い



「んっ」

「は?」

「コレ、王子からのプレゼント」

「プレゼント?」



ベルがくれたのは小さな紙袋
その中から出てきたのは真っ赤なすけすけレースのビスチェ&ショーツ(ガーターベルト一体型網ストッキング付き)



「う゛ぉぉおいっ!!??」

「スクアーロ?」

「違う!!ちょっ…何コレ!?コレがプレゼント!?」

「そっ、イタリアでは女は大晦日に赤い下着着けて新年迎えるんだぜ」

「だからって何このすけすけビスチェ!?どこのAV女優だよ!」

「王子的にはオープンブラのセットでもよかったんだけどね」

「それこそどこのAV女優だよ!!」



全部紙袋に詰め直してべしっとベルに投げ返してやった



「いってぇなー」

「馬鹿か!!」

「王子馬鹿じゃないし」

「馬鹿だし!」

「殺すぞブス」



何考えてんだこのキチガイ
新しい下着を身に着けて新年を迎えるのは結構多くの国でやってることだしいいと思うよ
けどベルは絶対不純な思いで私にプレゼントしたに違いない!



「なぁコレ着ろよーコレ着て姫始めだっけ?姫始めしようぜ」

「(やっぱり不純だった!!)しないよ!て云うか本来姫始めって1月2日の行事(?)だし!」

「でも近世以降は新年に男女が初めて交わることを言うんだろ?」

「何で日本人でもないのにそんなに詳しいの!?」

「だってオレ王子だもん」



あーはいはい、王子、王子
もうなんでもいいから寝かせてくれ
眠さが半端ない私はベッドに寝転んで目を閉じた
そんな私のお腹の上に乗るベル
マジで寝かせてくれよ王子様



「おいっ後2分なんだし起きてろよ」

「無理ぃ…マジで眠い…」

「チッ」



ベルは舌打ちをすると体を倒して私に抱き着つきながら首筋に頭をぐりぐりと押し付けだした



「ふふ、擽ったいよベル〜…」

「お前がオレの言うこと聞かないから何もしねぇ間に年明けちまったじゃん」

「んー…年明けたのぉ…?」

「今0時1分だし」

「そっかぁ…あけ、まして…おめでと…う…」



あー年明けちゃったんだ
ごめんねベル、明日ちゃんと言うよ
今はもう限、界…



「すー…すー…」

「………寝てるし」

「ん〜…」

「うししっ寝顔可愛い」



オレは名前のほっぺに触れるだけのキスをして聞こえないのはわかってるけど耳元で囁いてやった



「Buon anno.

Sono sempre accanto a te.

Ti amo.」



今度は唇に優しくキスをして名前の隣で俺も眠りについた


end


(あけましておめでとう
 
いつも貴方のそばにいるからね
 
愛してる)

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