総悟と名前の結婚式は小さい結婚式だった
出席したのは俺と近藤さんに山崎、万事屋とチャイナと志村姉弟と柳生のチビとスナックお登勢の婆さんに猫耳女、あと知らねぇ薄紫の髪に赤い眼鏡した女、それと仕事がなかった真選組の隊士だけ
名前は真選組の女中で隊士から人気があった
真選組じゃお通<名前だったくらいだ
その名前があのドS、サディスティック星の王子と付き合いだしたと知った日の隊士は使い物にならねぇくらいショックを受けてたもんだ
万事屋なんかチャイナ(と眼鏡)を連れて屯所に殴り込みに来た
今ではそれも懐かしい
そんな名前の結婚式
本当はみんなコイツ等の結婚式に出たがっていた
だが市民の安全を護るのが真選組
そこは泣く泣く諦めた
真選組のアイドル名前と、これまた一般の女からしたらアイドル系王子総悟の結婚
俺からしたら妹みたいな名前と本人にはぜってぇ言わねぇけど弟みたいな総悟の結婚は嬉しくもありなんだか寂しい気もする
そこで今日は結婚式に出席出来なかった奴らも混ぜて真選組の1番デカイ部屋でお祝いと称したどんちゃん騒ぎ
「えー…では総悟、名前ちゃん結婚おめでとう!乾杯!」
「「「「「おめでとうー!」」」」」
「ありがとうございやす」
「皆さんありがとう!」
滅多に見せることのない満面の笑みの総悟
柔らかく笑う名前
しばらく歌えや飲めやの騒ぎが続いて総悟は酔っ払った近藤さんや隊士に絡まれてむさ苦しい男の輪に連れて行かれた
「名前ちゃん、名前ちゃん」
「なあに?銀さん」
「その前になんで万事屋がここに居るんだ」
酔っ払った万事屋はチビチビ酒を飲む名前の肩に腕を回し酒臭い息を吐いた
因みにチャイナは飯を食うのに必死
志村姉は…まぁいつものようにゴリラ退治
志村は赤い顔して雑音ともとれる歌を披露している
「銀さんは悲しいよ名前ちゃん」
「おい、コラ無視か」
「どうしたの銀さん?」
「お前も無視か」
「銀さん名前ちゃんにはもっといい男と結婚してほしかったな、例えば…ほら、銀さんとか」
「総悟はいい男よ?」
「あれ?後半の発言はスルー?…まぁね、沖田くんは顔はいいよ?でも性格に問題あるじゃん俺だってSだけどあそこまでいかないよ?ソフトSよソフトS!夜の方もSだけどそれが銀さんの魅力でもあり銀さんとの熱い夜における快感なのよ」
「テメーはなんの話をしてんだよ」
「総悟は夜も優しいよ?」
「メッ!名前メッ!女の子がそんなこと言っちゃいけません!」
「はーい、お母さんごめんなさあい」
「誰がお母さんだ!」
「マヨママ」
「馬鹿にしてんのか天パコラァァァァア!!!」
「えへへ!総悟はねぇー優しいよぉー」
名前はヘラヘラ笑っていて頬もピンク色でいつもはしない間延びした喋り方…どう見ても酔っている
万事屋も既にべろべろでさっきより更に酒臭い
「あーん?沖田くんが優しいィ?」
「あのねぇー挿れた時もちゃんと一回止まってぇー痛くないか訊いて気遣ってくれるよぉー」
「ぶっ!!」
…なななな何つーこと言ってんだコイツ!
つーか総悟なら泣き喚く中無理矢理突っ込みそ…じゃねぇ!!
「名前お前もう飲むの止めろ!」
「銀さんだってそんくらい訊きますぅ!銀さん沖田くんより優しいから!卵撫でるときみたいに優しいから!」
「万事屋テメーもう黙れェェエッ!!!つーか卵撫でるときって何!?卵撫でるときなんかある!?」
「なぁなぁだから銀さんと一発やろうぜ!そんで沖田くんと離婚して銀さんと結婚しようぜ!」
「銀ちゃんヤだぁ!総悟がいいのぉ!総悟だあいすきッ!」
万事屋は名前の両手を掴んで?握って?じりじりと詰め寄る
名前は手を掴まれながら嫌々と首を横に振る
「おい、万事屋いい加減にしろよ」
「名前ちゃん、ちゅう〜…「ローリングサンダー旦那死ねパーンチッ!」ぶべらっ!」
名前にキスしようとした万事屋はどこからか飛んできた総悟のパンチにより吹っ飛んだ
「名前大丈夫か!?」
「ん〜っ」
「あぁっ!名前の綺麗な手をあの薄汚ねぇクソ手パ野郎触りやがったな!」
そう言って総悟は着物の裾でゴシゴシと名前の手を優しく拭いた
総悟も近藤さん達に飲まされて酔っているのか顔が真っ赤だ
「総悟、もう名前べろべろだから部屋連れてけ。お前酔ってて連れてけねぇなら俺が連れてくから」
「うるせーマヨネーズ馬鹿!そうやって名前に触る気なんだろう!テメーのマヨネーズの中身カスタードに変えてやるからな!」
「何その嫌がらせぇぇぇえっ!!??」
総悟は座り込む名前の腰に腕を回し正面からぎゅっと抱きしめた
そして名前の首筋あたりに頭をぐりぐりと擦り付けだした
「名前大好きでさァ!」
総悟は名前の頬にちゅっと可愛らしいキスをした
僕たちはおなじ体温で生きてゆく
なんだコイツ等可愛いことしやがって!