「買い忘れたもんねぇかィ?」

「んー…たぶんない!」

「よしっ」



山崎と見回り中に買い物に行く名前を見つけた
山崎に見回りを押し付…任せて俺は名前の後を追い、仕事をしろ!と怒る名前を何とか言いくるめ一緒にスーパーで買い物をした
今はその帰り。俺は名前には重そうな袋(主にマヨネーズ)を片手で全部持ち、空いた手で名前と手を繋いでいる
もちろん俺は道路側


「寒いー!耳痛い耳!」

「なんでマフラーも何もしてねぇんでさァ」

「手袋はしてるよ?」



名前は寒いのにマフラーをしていなかった
俺は隊服を着てるけどがっちりマフラーも巻いている
クリスマスに名前に貰ったマフラーだ、えへへっ
名前の赤くなった鼻が寒さを物語っていて可哀相
だが赤い鼻が愛らしい



「総悟は手袋してないけど寒くないの?」

「寒い」



一旦歩みを止めて手に持っていた買い物袋を地面に置いた
俺の長いマフラーを名前と俺の首に巻いて、名前の片手から手袋を抜いて自分の手にさす
その手で買い物袋を持ち、剥き出しの手は名前の小さな手を握って恋人繋ぎ



「カップル巻きとか恥ずかしいんだけど!」

「そうかィ?」

「うー…」

「あったかいからいいじゃねぇか」



ぶつぶつ文句を言う名前だが本気で嫌がっているわけではないので赤い顔をマフラーに埋めるようにしている
それがまた可愛らしい



「あ!総悟、総悟」

「ん?」

「コンビニ寄りたい」

「わかりやした」



名前と一緒にコンビニに寄る
名前はどこかコーナーに行くわけでもなく真っすぐレジに向かった



「総悟何マンが1番好き?」

「俺ァ肉まんかねィ」

「わかった!すいません肉まん一つ下さい」



120円の肉まんを一つ買ってコンビニを出た



「はい、総悟あーん」

「ん、」



俺は両手が塞がっているので名前に食べさせてもらう
周りから見たら俺達は相当なバカップルだろう
マフラーをカップル巻き、手袋は片方ずつ、恋人繋ぎ、一つの肉まんを仲良く食べる
嗚呼、最高に馬鹿で最高に幸せだ


俺ァ結婚したからと言って所帯じみたくない
いつまでも恋人の様な夫婦でいたい


地面には俺達の影
影すらも繋がっていて笑みが自然と零れた



「名前、」

「なあに?」

「今日は鯖の味噌煮が食いたいでさァ」

「残念、今日はトンカツだよ」



夕暮れと恋の相乗効果について


あ、屯所が見えて来た

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