ツリーの飾り付けはもう出来ている
プレゼントは山崎くんから受けとった
ケーキも冷蔵庫から取ってきた
今日は総悟と二人で食べようと思って料理も作って部屋まで持ってきた。よしっ!




やっと仕事が終わった俺は名前のいる自室まで続く廊下をバタバタと走っていた


「名前!」

「あっおかえりなさい総悟」


ふにゃっと笑う名前に自然と顔が緩む
ただいまっとキスをすると名前は頬を染めた
可愛いねィ



「着替える?」

「あぁ、うん」



俺が脱いだ隊服の上着を受け取ってくれる名前
机には名前が作ったであろう料理が並べられているのを見てあぁ俺の妻なんだと思ってニヤけてしまった
部屋着に着替えてから机を挟んで名前と向かい合って座る



「今年はね、ケーキも作ったんだよ」

「へーじゃあ夕飯食べ終わったら食べやしょう」

「その前にお風呂入らなきゃ」

「んー」



名前と笑って飯を食いながら今日一日何をしてたかどんなことがあったかを話す
こういう話をするのはお互いに大事だと俺は思う
さて、プレゼントはいつ渡そうか
今?それとも風呂に入った後?



「私これ流しに持って行くね」

「あ、あぁ…じゃあ俺は風呂に行ってきまさァ」

「はーい」



結局食べてるときには渡せなかった
よしっ風呂から出たら渡そう
俺は暫く湯舟に使ってあったまったとこで風呂から出た
そのまま部屋には戻らずに食堂に行って酒とコップを二つ持ってから部屋に戻った



部屋に戻っても名前の姿はなかった
女はなんでこうも風呂が長いんでィ
俺はコップに酒を少し注いで呑んだ
名前と一緒に酒を呑んだことがなかったので一緒に呑んでみたかった
本当は月なんかを見ながら風流に呑みたかったが生憎今は冬で縁側なんかに座って呑んでたら風邪を引いちまう



「ふあー寒い!寒い!お風呂から部屋まで遠い!」

「早く中に入んなせェ」

「あ、総悟お酒呑んでる」

「ん、名前も呑みなせぇ」



名前にコップを持たせて酒を注いでやる
名前も俺から酒を奪うと俺のコップに酒を注いでくれた


「ケーキ切ろうか」

「うん」


箱から出されたケーキはとても綺麗に出来ていて名前は器用だなーっと思った


「いただきやす」

「はーい」


名前は俺の顔色を伺っている


「上手い」

「ホント?えへへっ」


俺が上手いと言うと名前はぱあっと顔を明るくさせて照れたように笑った
あぁ、好きだなぁ…



「あのね」

「うん」

「総悟にクリスマスプレゼントがあるの」



そう言って名前は俺に包装されたプレゼントをくれた


「開けていいかィ?」

「いいよ」


ガサガサと包装を破くと出てきたのは長めのマフラーだった


「お店に行ってプレゼント何買おうか迷ってたんだけど…その色がね、総悟に似合うと思ったから買ったの」

「ありがとう、見回りのときは必ず巻きまさァ!」

「ふふふ、喜んでくれてよかった!」

「俺も名前にプレゼントがあるんでさァ」



俺は立ち上がって俺の着物が入っている箪笥を漁る



「はい」

「開けていい?」

「もちろん」



名前は俺と違い綺麗に包装を解いた



「テディベア…」

「女はこんなん好きだろィ?」



俺が名前にあげたのは大きめのテディベア
女が何欲しいかなんてわかんねぇけど女物の店に行ったときにこのテディベアが目についてコレを抱いてる名前はきっと可愛いんだろうなと思って買った



「あ、ありがとう!」

「喜んでもらえてよかったでさァ」



嬉しそうにもふもふと熊を抱きしめる名前は想像以上に可愛い贈ってよかった



「ホントは外に出てイルミネーションとか見たかったんじゃねぇの?」

「ううん、総悟と一緒に居られるだけでいいよ!」

「へへへっ」

「ふふっ!」

「名前」

「なあに?」



俺は首を傾げる名前に近づいて彼女の耳元で吐息混じりに囁いた



「なぁ…昨日言ったこと覚えてるかィ?今日は25日だぜ、昨日の俺の望みは今日サンタが全部叶えてくれるんだろィ?」

「え、ちょっ…総悟!待っ…!!」



“愛してる”よ


Merry Christmas!

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