最高の日にすると意気込んだのはいいが全くのノープランだ
とりあえずプレゼント買わねぇとねィ


んーあいつはあんまりブランド物とか好きじゃねぇしなぁ
バック?けど洋服持ってねぇのに鞄なんてなんか変か…
じゃあ洋服とか着物とか
…男が女に洋服を贈るのはそれを脱がしたいからとか言いやすからねィ変な意味に捉えられたらどうしやしょう
財布はこの間新しいの買ってたしねぇ…そういや去年のクリスマスは財布貰ったっけ
俺はネックレスやったし指輪とか考えたたけど今は結婚指輪があるしなァ



「ちょっくらリサーチしてみるとするかねィ」


と言うことで


「クリスマスに欲しいものぉ?」

「あぁ、ちょっと参考までに」


俺はそこら辺にいた女中を捕まえてクリスマスプレゼントについてリサーチ中である


「えぇー何々?沖田さん名前さんから私に乗り換えるのぉ?」

「そんなに俺に殺されてぇんですかィ?」

「結婚してそんなに経ってないのにもう浮気って早くないですかぁ?」

「何コイツ人の話聞けないの?」

「プレゼントかぁ私はブランド物のバックでいいですよぉ」

「黙れブス名前はブランド物に興味ねぇんでさァだいたいテメーにやるなんて一言も言ってねぇだろ」



駄目だこの馬鹿は話になんねぇ
次だ次!次は…



「クリスマスに欲しいもの?」

「帰れサド野郎!お前なんかが志村家の敷地跨いでいいと思ってるアルカ!?」

「チャイナは黙ってなせェ俺は姐さんに用があるんでィ」

「クリスマスに欲しいものねー…そうねぇ強いて言うならお金かしら」

「いや、それはちょっと…」

「私は酢昆布一年分!」

「テメーなんかにやるわけねぇだろィつーか酢昆布一年分って一日の摂取量がわかんねぇよ!」

「私もクリスマスプレゼント欲しいアル!」

「ガキはサンタにでも頼んでなせェ!」

「ちょっと二人共人の家で暴れないでくれる?前歯折るわよ?」

「「ごめんなさい」」


前歯なんか折られたら恥ずかしくて名前に会えなくなっちまう


「ねぇ沖田さん、女の子はクリスマスに好きな人に逢えればそれだけで十分だったりするわよ?特に貴方の様な仕事の人は、それに名前ちゃんはそういう人でしょ?」

「…でも毎日会ってますし出来れば名前に喜んでもらいたいんでさァそれに形に残したいしねィ」

「まぁ好きな人に貰えればなんでも嬉しいものだわ」

「わかりやした、もう少し色々考えてみます」



会えればそれで幸せなのは十分わかってるんですけどねィ…
出来れば形に残したいんでさァ
俺が名前を愛してたって
例えばそれが鞄だろうが着物だろうが何だろうが



「は?クリスマスに欲しいものぉ?」

「へい」

「こんなババアに訊くより若いもんに訊いたほうがいいんじゃないのかい?」

「たまには年上の意見も必要かと思いましてねィ」

「年上過ぎやしないかい?」

「まぁまぁ」



お登勢のババアは遠くを見つめながら煙草の煙りをふうっと吐き出した


「そうさねェ〜…あたしなら好いた男と月でも見ながら一緒に一杯の酒でも呑めりゃ幸せだね」

「アル中なんですかィ?」

「ちげーよ!!好いた男と一緒にいるだけで幸せだっつってんだよ!」

「皆そんなもんなんですかねィ」

「ふん、さあね…だが最近の小娘はそれだけじゃ満足しないんだろうねぇやれバックだ洋服だなんだと、あんたも大変だねぇ」

「大丈夫でさァ俺の嫁はそんな我が儘言わねぇ奴なんで、まぁアイツが欲しがったらなんでも買ってやりやすけどね」

「クソガキガナマ言ッテンジャネーヨ!」

「黙れ猫耳糞女お前その耳いらねぇだろィ名前に猫耳ついてたら可愛いのに…アイツについてたらって想像するだけで萌え過ぎて爆発しちまいそうでさァなのにテメーなんかに猫耳ついてても吐き気しかしやせん」

「ナンダトテメー!爆発シチマエヨッ!」

「キャサリンさん掃除の邪魔ですどいて下さい」

「おっ、丁度いいや、たまだっけ?あんたなら男に何をプレゼントされたら嬉しいんでさァ」

「あんたどんだけ必死なんだ!見境無しか!たまはロボットだよ!」

「わかってまさァまぁロボットだろうとデータは多い方がいいでしょ?」

「私は殿方にプレゼントされるならオイルがいいです」

「あ、やっぱりロボットですねィ」



一緒に酒呑めれば幸せねェ…
酒なーそういや付き合ってる間も名前と一緒に酒なんて呑んだことなかったなァ



「いや、なんで最後のリサーチ場所が俺んとこ?」

「折角仕事サボってまで下のスナックに来たんだから女なれしてそうな旦那にも話訊いとこうかなって」

「訊いとこうかなって、じゃねーよ!俺女慣れなんかしてねぇよ!お前んとこのマヨラーよりは経験多いかもしんねぇけど並だからね!?つーか俺より遥かにお前らのがモテてんだろ!」

「モテんのと女慣れしてんのとは別でさァ」

「だから女慣れなんてしてねぇってェェェエッ!!!」



旦那なら一応俺より長く生きてるしなんか無いかと思って万事屋に寄ってみた



「はぁ…で?なんだっけ名前にクリスマスプレゼント?」

「えぇ」

「いいねぇラブラブで、俺なんかクリスマスもガキ二人と過ごすんだぜ?あぁ俺も可愛い女の子と過ごしたい可愛い名前と過ごしたい」

「首跳ねやすぜィ?」

「はいはい、プレゼントねぇ〜…名前なら沖田くんから貰ったものなら何でも喜んでくれるだろ」

「そんなことわかってまさァ」

「何、自慢!?自慢しに来たの!?惚気に来たの!?何こいつヤダ!!」

「うるせぇです旦那彼女が居ないからって僻まねぇで下せェ」

「うぜェッ!!こいつうぜェェェエッ!!!」

「もう何でもいいからアドバイスくれよー俺もうどうしたらいいかわかんねぇよー」

「腹立つぅぅうっ!!!」

「いやマジで旦那に彼女がいたとしたら旦那は彼女に何プレゼントしやすか?」

「何でそんないたとしたらの部分強調したの?……あー…俺なら金無いし料理でも作ってやるかな、そもそもクリスマスだからって特別なことしたりしねぇかも」

「俺ァ何か贈って形に残してぇんでィ」

「あ?そんなん別に何か贈らなくたって思い出は残るだろうが」



思い出…思い出か、
好きな人と過ごした思い出は一部たりとも忘れないだろうか
忘れたりしないだろうか
俺は名前との思い出は何一つとして忘れていない(と思う)
名前もそうだろうか
名前も俺との思い出はずっと覚えていてくれるだろうか
年取って皺くちゃのババァとジジィになろとなんだろうと



「沖田くんもあのマヨラーも気にしすぎなんだよ、そんな死ぬことばっか考えてて楽しいか?形に残らずとも名前の心にはお前と過ごした日々やなんか特別な思い出でがずっと残んだろうが」

「…相変わらず旦那はクセェこと言いやすねィ」

「もう知らねー!!銀さん二度とお前の相談乗ってやんねぇからな!!」

「とりあえず色々考えてみまさァ、ありがとうございやした」

「二度とくんな!」



俺は万事屋を出て真選組に向かって歩いていく
結構長い時間サボったからまた土方さんに怒鳴られちまうだろうな
つーかリサーチしたのはいいけど参考になったような、ならなかったようなって感じでさァ



「あ!総悟!」


真選組に戻ると俺に気づいた名前が慌てて駆け寄って来た


「ただいま」

「ただいまじゃないよ!どこに行ってたの!?土方さんカンカンだったよ!?」

「いつものことでさァ」

「いつものことって……もう!」

「まぁまぁそんなにプリプリしてちゃ可愛い顔が台なしだぜィ?(台なしどころか怒っても可愛いけどねィ!)」

「総、「総悟ォォォオッ!!!」



名前の可愛い声は土方さんの怒声に掻き消された
死ね土方



「テメー今まで仕事サボってどこほっつき歩いてやがったァァァアッ!!!」

「ちょっとした調査に出かけてやした」

「調査だァ?」

「何の調査?」

「内緒でさァ」

「えー」

「俺頑張りやす」

「ん?何を?」

「お前ら仕事しろォォォオッ!!」



ヲトメに対する理解と会得


ヲトメ心は理解不能

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