「名前ちゃん葱切ってー」

「はーい」



忙しい調理場
先輩に味噌汁に入れるための葱を切るのを命じられた私は頑張って葱を切ろうとしています
そんな忙しい中、最近風邪で女中が大量にダウンしたため臨時で雇われたバイトの子が先輩に近寄って来た



「せんぱーい」

「何?ちょ、あんたそこ邪魔!」

「あ、すいませーんっ…じゃなくてぇ」

「もう何!?今忙しいの!つーかあんた仕事は!?」

「仕事はちょっと今休憩みたいなーそりよりぃあたし彼氏とクリスマスにデートすることになってぇ!だから24日か25日休みたいんっすけどぉ」

「いや私に言われても困るから、もっと上の先輩に言って。それよりあんたいい加減その間延びした喋り方止めなさいって何回言ったらわかるのォォォオッ!!!!」

「えー何でぇ?」

「(近藤さんは臨時とはいえなんでこの子を雇ったんだろう…)」



そっかーもうすぐクリスマスなんだ
総悟はたぶん今年もお仕事だよね
一緒に過ごせなくてもプレゼントは渡したいなぁ
ふふふ、今年は頑張ってケーキも買わずに焼こうかな!
プレゼントは何をあげよう
総悟…アイマスク……?
ダメダメ!クリスマスにアイマスクがプレゼントとかなんか貧相だ!
時計…携帯あるし使わないかな?
土方さんも時計してないしあんまり時間とか見ないものなのかなー
着物とか?……総悟あんまり休みないからこれも微妙よね
鞄、は持ち歩かないか
アクセサリーは付けないしなー
……あれ?なんか全然思い付かないんですけどっ!?
私去年何あげたっけ!?あれェェエッ!?



「名前ちゃん?もう葱いいわよ、それ以上やると微塵切りになっちゃうから!ちょっと聞いてる?」



よ、よーしっ!一先ずプレゼントのことは置いといてとりあえずケーキのことを考えよう!
真選組の調理場勝手に使えないしなぁ、どうしたもんか…
て言うか真選組内で作ってたら総悟にバレちゃうよね…



「ちょっとォォォオッ!!!マジもう葱いいから!刻みすぎだから!名前ちゃん!?ちょ、聞いてる!?名前ちゃぁぁあんっ!?」



男の人が欲しいものなんてわかんないよ
土方さん達に聞いてみようかなー
でもあの人総悟と趣味合わないから失礼だけど参考にならなさそう


「名前ちゃん葱ッ!!」

「あっ」


先輩の声にハッとして手を動かすのを止める
そして私の手元には大量の細かい葱



「今日の味噌は葱がやたら多いねィ、て言うか何で葱微塵切り?」

「あの、ごめんなさい…」



脳内を彷徨う


(名前がやったのかィ?)
(考えてごとしてたらいつの間にかそんなことに…)
(微塵切りでも全然食えるから落ち込むなよ)
(うん…ありがとう総悟)

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