「はぁ?クリスマス休暇ァ?」

「へい!」


俺は必死にこくこくと頷いた


「ダメに決まってんだろ」

「はぁ!?」



俺は仕事中の土方さんを捕まえてクリスマス休暇を貰えるように頼み込んでいるところだ
言わずもがな名前と一緒にクリスマスを過ごすためだ
だがそれはあっさりと拒否されちまった



「なんでですかィ!?」

「なんでって…クリスマスは正月並に浮かれる奴が出るから取り締まらなきゃなんねぇだろう、1番隊隊長のお前が休めるわけねぇだろ。毎年のことなのに今更何言ってんだ」

「くっ…で、でも!」

「でもも糞もねぇよ糞餓鬼が。話はそれだけか?俺はもう行くぞ、テメーも仕事に戻れ」 


そう言って野郎は行っちまった


「ありえねぇ…」


ありえねぇ…ありえねぇ、ありえねぇありえねぇありえねぇぇぇえっ!!!!
あの野郎自分が女いねぇからってぶざけんな!!!
去年はまだ付き合ってたから我慢して仕事終わらせてからデートしたけど今年は夫婦になって新婚旅行すら行ってねぇからせめてクリスマスは一緒に居てやりてぇっつーのに!!



「総悟?」

「名前…」



俺がドスドスと怒りに任せて廊下を歩いていると洗濯物が入ったカゴを抱えた名前と会った



「……う、」

「なあに?どうしたの?機嫌悪いの?」

「別に…」

「エリカ様とかもう古いよ」

「はぁ…」

「え、なんで私溜め息つかれたの?」



名前は洗濯カゴを一度床に置くと総悟大丈夫?疲れてるの?と言って俺の顔を覗き込んだ
違うんでさァ、あぁっ名前に八つ当たりしても仕方ねぇんだけどさァァアッ!!!
うがあーっ!!だってクリスマスは彼女…嫁と一緒に過ごしたいじゃん!
クリスマスはイエス・キリストの降誕だけど日本では恋人達のクリスマスじゃん!
恋人じゃなくて夫婦だけど!夫婦だけど!大事なことなんで二回言いました!



「よしっ!」

「え、何…」



俺は決めた!
名前の両手をガシッと自分の両手で掴んで包むと名前は不思議そうな顔をした



「俺ァ必ず名前を喜ばせてみせまさァ!」

「あ、ありがとう…?」



神様の誕生日だとか何とか


結婚して初のクリスマス、最高の日にしてやらァ!

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