「明日…」

「だめ?」

「別にだめじゃねぇけど…」



不服そうな顔をして渋る総悟
私が何をしているのかと言うと、明日妙ちゃん家で行われる女だけのお泊まり会に私も参加しないかと誘われた
是非参加したい私は総悟に許可を得るためにおねだり中なのである!



「んー…」

「いい?」

「明日の仕事はどうするんでィ」

「私明日休みだもん」

「………聞いてない」

「…うっ、」

「はぁ…まぁいいでさァ、どうせ俺は明日も仕事で一緒に居られないしねィ」



そう言って総悟は私に背中を向けた
正面に回り込んで顔を覗いて見ると、案の定拗ねて頬を膨らませていた
指で膨らんだ頬をついてみると総悟は頬を膨らますのをやめた
眉をハの字にして情けない表情をするとぎゅっと私に抱き着いてきた



「…やっぱり止めようか?」

「ん、俺のことは気にすんな。ちゃんと行きなせェ」

「うーん」

「そんなんじゃ友達無くすぜ?」



拗ねてたのは総悟なのに…
総悟は私を膝の上に乗せ、胸の谷間に顔を埋めて目を閉じた



「ただね、」

「ん?」

「明日の夜名前がいねぇのかと思うとどうしようもなく寂しい気持ちになるんでさァ」

「総悟…」

「だから今は甘えさせて下させぇ」

「総悟は甘えただね」

「甘えたな男は嫌いか?」

「ううん、大好き!」



私達はお互いの鼻がくっつくくらいの距離でクスクスと笑った



二つの刹那


その瞬間が幸せなのです。

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