「じゃーん」

「……だから?」



夜、わざわざ総悟と名前が俺に新しく買った携帯を見せに来た
自室で休んでた俺と、たまたま明日の仕事のことで俺の部屋に来ていた近藤さん
コイツらはオッサン二人に携帯を見せびらかして何が楽しいんだ
二人っつーか主に総悟



「つまんねーリアクションでさァ」

「総悟お前怒虎最に変えたのか」

「名前が怒虎最じゃねぇと俺に絵文字付きのメール送らないって言うんでね」

「そんな理由で変えたのか馬鹿じゃねーの」

「いやートシ絵文字は大事だぞ!絵文字ないと文字ばっかりで画面黒いしなんか凹む」

「あー?そんなもんか?」

「て言うかもっと俺と名前の携帯がお揃いって部分を弄ってくだせぇよ」



弄れってなんだ
どう弄れっつーんだ



「そういやお前達色まで一緒にしたのか!」

「いいでしょう?」

「本当は私ピンクがよかったんだけどねー総悟が色もお揃いにしたいって言ってね、流石に総悟にピンク持たすわけにもいかないし英雄か怒虎最かで総悟折れてくれたし、だから今度は私が折れて黒にしたの」

「何も色まで同じにするこたーねぇだろう」

「嫌でィ死ね土方」



もうホント頭痛くなる夫婦だなコイツら
コイツらっつーか主に総悟



「あ。そうそう、メアド変えたんで近藤さんと土方さんにも送りまさァ」

「おう!」

「あぁ、」

「隊士達にも送信しねぇと…めんどくせー」



暫くして俺と近藤さん(と隊士全員)の携帯は総悟から送られてきたメールを受信した



「名前」

「ん?」

「名前は俺が知らねぇ男とメアドも携番も交換しちゃいけやせんぜ」

「近藤さんとかはいいの?」

「あんまり束縛するのも可哀相なんでねィ真選組と万事屋の旦那関係ならまぁよしとしやしょう。けど俺の知らない男はダメ」

「意外だな…お前なら男なら誰であろうと許さねぇと思ってたよ」

「束縛しすぎて愛想尽かされたら困るんでねィ」

「はっはっは!総悟は優しいなー!」

「(…優しいのか?)」

「で、名前わかったのかィ?」

「うん!その変わり…」

「その変わり?」



名前は少し俯いて総悟の着物の裾を握った



「あ、あのね!私もあんまり男の人とメールしないしメアドも交換しないから…総悟もあんまり女の人とメアド交換したりしないで…」



総悟は少し驚いた顔をしてからふっと優しい顔付きになった
総悟がこんなに優しい顔をするのはきっと名前にだけだろう



「…当たり前でさァ俺は名前以外の女なんか微塵も興味ねぇよ」



そう言って名前の頭を軽くぽんぽんと叩く総悟



「な、なんか恥ずかしい…!!私お茶煎れて来ます!」



少し赤い顔をした名前は急に立ち上がるとそんなことを言いながら部屋から出て行った
何故か名前が出て行った途端部屋はしーんとなって俺は何も言わない総悟が気になり、総悟に声をかけてみた



「(!)お前…」

「あへっ」



こっちを向いた総悟はニヨニヨと笑っていて顔がニヤけるのを必死に隠そうとしていたが隠しきれていなかった



「あへへっ」

「あへへって…」

「あー!名前可愛いでさァ!俺が女とメールするのが嫌なんだって!メアド交換するのも嫌なんだって!たはっ!」

「もう誰コイツ!?ホントに総悟!?ドS沖田はどこに行ったんだ!」

「トシ、恋とは人の人格すら変えるものだよ」

「うるせー黙れストーカーゴリラ!あんたに恋について云々言われたくねぇぇぇえっ!!」



真夜中の談話


楽しく過ぎる冬の夜

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