苗字さんのメアドをゲットしてからはちょくちょくメールする仲になった
メールするようになって知ったことは苗字さんも甘いものが好きでケーキはショートケーキが一番好きらしい(俺と一緒だ!っと、こんな些細なことが嬉しくてテンション上がったのは恥ずかしくて誰にも言えない)そして一番知りたいけど知りたく無かったのは苗字さんと土方が幼稚園からの腐れ縁で付き合ってないとはいえ、やたらと仲がいいこと
俺はぶっちゃけめちゃめちゃ嫉妬した
ここ数日二人を見ていてやたら仲がいいとは思っていたがそんな乳くせぇ時からの知り合いで俺が知らない小さい頃の苗字さんを土方は知っているわけだし、俺なんかよりずっと苗字さんの色んな顔を知っているんだろう




「ひーじかーたくーん」

「…………何だよ」

「お前さーマジで何なわけ?マジでないわーお前なんで金高通ってんだよ何んでそんなマヨネーズぶっかけたみたいな髪型してんだよ」

「マヨネーズぶっかけたみたいな髪型ってどんな髪型だコラァァァァア!!!!」

「トシー何騒いでるのー?」

「あぁん!?コイツが何かワケわかんねぇこと言ってくんだよ!」

「えー?何言っちゃってるのぉー多串くーん僕が君にワケわかんないことなんか言うはずないでしょぉー?苗字さんに嘘言わないでくれるかなぁー?」

「何コイツすんげー腹立つ!!殴っていい!?ねぇ殴っていい!?」



ぎゃあぎゃあ騒ぐ奴らを遠目にやはり銀時は苗字さんにホの字なんだなっと俺は思った
今だって部活中なのに、何が気にくわんのか知らんが真剣に竹刀を振るう向こうの副部長に絡んでいた
が、苗字さんが騒ぎに気付き駆けてくると直ぐに止めた(と言うかキャラを変えた)
普段部活中に騒いでいる銀時に、真面目にしろと部長である俺が叱っても無視するくせに苗字さんの前だとすっかりいい子ちゃんだ
お母さんはお前を人の話を無視するような子に育てた覚えはありませんよ



「初々しいのー」

「なんだ坂本いたのか」

「アッハッハッ!ぶっ殺すぞハゲ」

「ハゲじゃないヅラだ。あ、間違った桂だ」

「もうそのネタ飽きたぜよ」

「…………。ところでアレは初々しいのか」

「銀時は真面目に人を好きになったことがないきーテンパっちょる」

「奴がそんな初な奴とは思えんがな。苗字さんを前にするとどうして良いのか分からんのだろう」

「気持ち悪かー」

「(さっき初々しいって言ったのに…。)ところで一番気になるのは苗字さんと土方の仲だ。あの二人は恋仲なのか?」

「苗字さんが土方とは幼稚園からの腐れ縁言うちょった」

「土方の方がよく苗字さんを知っているだろうが恋仲でないのなら銀時にもチャンスはあるな」

「同じ腐れ縁でもムサイ男三人より苗字さんみたいな可愛い子と腐れ縁が良かったぜよ」

「あ!桂さーん!坂本くーん!」



坂本と喋っているとさっきまで銀時達の相手をしていたはずの苗字さんが少し慌てた様子で走って来た



「どうかしたのか苗字さん」

「さ、坂田くんとトシが喧嘩始めちゃって!止めて下さい!」



銀時と土方がいる場所に目を向けると二人とも怒鳴りながら竹刀を振り回して暴れていた
そして何故かゴリラとラケットを持った地味な奴がその被害を受けていた
その横で蜂蜜色の髪の少年がバズーカを持って土方を狙っていたのなんか断じて俺は見ていない



「坂本、お前が行け」

「アッハッハッ!何を言うちょる!こう云うのは部長が行くもんぜよ!」

「俺には無理だ。苗字さんはどうだ?苗字さんの言うことなら二人共聞くだろう」

「わ、私!?無理ですよ!私の言うことなんて聞いてくれるはずないですよ!第一あんな乱闘に飛び込んだら死んじゃいます!」

「大丈夫、貴方なら出来るわ!お母さんここで応援してるから!」

「桂さんんんんん!!??」

「あぁーっ!!ちょっとアナタ私の銀さんになんてことしてるのよ!!」



苗字さんとふざけた掛け合いをしていると、さっきまで居なかったのに何処から現れたのか、さっさんが居て物凄い形相で土方めがけ納豆片手に乱闘の中に飛び込んで行った



「どうするんじゃ?わしゃ知らんぜよ」

「俺も知らん」

「なんで猿飛さん納豆持ってたんですか」

「気にするな、わしはもう帰りたい」

「俺も夕方から見たいドラマの再放送があるのだがビデオ予約し忘れたので一刻も早く帰らねばならんのだ、よって今日の部活はこれで終りー」

「えぇ!?そんな投げやりでいいんですか!?」



頑張って銀時くん
僕ら少しなら君の恋に協力するから


お母さんは陰から見守ってます


090401

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