金高と合同練習するようになって早数日
今日は家の用事があるらしく辰馬は部活に来ない
高杉は松陽先生が居ないんじゃ興ざめだと言って帰った
ヅラは…………何か知らんが遅れてくるらしい
今までの俺なら帰るところだが何故か頭に苗字さんの顔がチラついて一目でもいいから逢いたくなった
……どこの乙女だ俺は
体育館に行くと何故か他のクラブの奴らは居なくて俺の足音だけが響いた
「(金高の奴らもまだ来てねぇのか…)」
「坂田くん?」
物音がして振り向けば苗字さんが立っていた(物音がしてちょっとビビったとかあり得ないから!)
「あ、あれ?苗字さん一人?」
「うん。今日は委員会あるから遅くれて来るってトシ達あれでも風紀委員なんだよー」
「へーそうなんだ苗字さんは委員会入ってないの?」
「私?私は何も入ってないよ坂田くんは?」
「俺も何も入ってないよ」
「そうなんだー」
「うん」
あぁぁあぁああぁ…!!!
会話が途切れちゃったよ!気まずいよ!気まずい!
どうしたよ俺!?持ち前のトークテクはどうした!?
「今日はみんな来ないの?」
「あ、何かヅラは遅れてくるらしいけど後の二人は来ないらしい」
「そっかーじゃあみんな来るまで二人っきりだね」
「!」
ふふふふた…!!??ふた、二人っきり!!!???
おおお落ち着け俺ェェェェエ!!!!
二人っきりがどうした!!
平常心!平常心だ坂田銀時!そうだよ平常心だよ寧ろ体育館の鍵かけられて二人閉じ込められても俺平常心保ってられっから!もう何か平常心って言葉使い過ぎて平常心って何なのか分かんなくなってきた
「坂田くんどうかした?顔赤いよ?」
「いや、あの…」
ごめんなさいィィィィイ!!!!
調子のりましたァァァァア!閉じ込められたりなんかしたら俺あのアレだぞ!
あのアレ!何か爆発する!
「おおお多串くん達遅いな!」
「(多串くん?)そうだねー」
「あのーえーとその、なんだ」
「ふふふ、」
「苗字さん?」
「変な坂田くん」
柔らかく笑う彼女を見て初めて会った時と同じように心臓が縮こまってドキドキした
どうしよう隠し切れない
そうだよ認めるよ俺は名前さんが好きだコノヤロー
090330