「なーヅラー」

「ヅラじゃない桂だ」

「金高って工事いつまで?」

「さぁな俺もよくは知らん、穴を綺麗に塞ぐだけだからそんなにかからんだろう」

「穴?」

「はぁ〜…貴様はどれだけ周りに関心がないんだ。このあいだ居眠り運転のトラックが金高に突っ込んで来て体育館に穴が開いたと言っていただろうニュースにもなってたくらいだぞ」

「俺ニュースとか見ないから」

「……………。」

「なんだよそのだからお前はパーなんだみたいな目は」



ニュースとか見なくても世の中やってけるんだよ
ちょっと世間に疎くても生きてけるんだよ


今は屋上で俺、ヅラ、高杉、辰馬のいつものメンバーでランチタイム中
やっぱ何食うのにもいちご牛乳は欠かせないと思う
いちご牛乳さえ飲んでりゃ全て上手くいくんだよ



「銀時、あのマネージャーにホの字なのか?」

「ぶはっ!!」

「金時汚いぜよ」

「ヅヅヅヅラてめー何言ってんだ!だいたいホの字とか古いんだよ!」

「おや、違ったか?昨日苗字さんがどうのこうの叫んでいたのでてっきり…」

「てっきり何だよ!違うからね!そんなんじゃないからね!ちょっと気になってるとかそんなんじゃないからね!」

「好きじゃなくても気になってんじゃねぇか、あんなちんちくりんよりもっといい女紹介してやろうか?」

「ちんちくりって苗字さんのこと!?てか高杉の知り合いの女なんざ積極的な女しかいねーじゃねぇか!銀さん積極的な女嫌いだから!」

「積極的な女は嫌いと言うが自分の彼女のさっさんは随分積極的ではないか」

「誰だよさっさん!さっちゃんのことか!?彼女違うから!あの納豆女とは何もないから!」

「まぁそんなサンドイッチに小豆挟んで食うような男なんざ苗字だって嫌だろうよ」

「分かってねぇな〜サンドイッチに小豆マジうめーから!食ってみ?ね、晋ちゃん」

「食わねーし晋ちゃんって呼ぶな!!」



ドゥルルルルドゥルルルルドゥルルルルットゥドゥルルルル〜♪



高杉の口に無理矢理銀時スペシャルサンドイッチを突っ込んでいると誰かの携帯が鳴った
着信音が世にも奇妙な物語って悪趣味だよ
夜鳴ったらどうすんだよ
トイレ行けねぇよ



「おい誰か早くその悪趣味な着信止めろよ」

「俺は違うぞ」

「俺も違う」

「おーわしじゃ、わしじゃ」

「お前かよ毛玉コノヤロー」

「未登録メールはこの着信音にしてるんじゃよ」



未登録メールにしても趣味わりぃよ
夜鳴ることも考えてもっと何か明るい曲にすることを全力でオススメするよ



「あ、苗字さんからじゃ」

「は?辰馬なんつった?」

「え?苗字さんからじゃって言うたぜよ」

「苗字さんってあの苗字さん?」

「おんしの言うちょる苗字さんがどの苗字さんか知らんが、ホレ」


そう言って携帯の画面を突き付けてきたので三人で覗き込んでみれば確かに苗字さんの名前が書いてあった



受信to 1/1000
―――――――――――――
From xxxxxxx
―――――――――――――
Sud 遅くなってごめんなさい
―――――――――――――
金高の苗字名前です!
昨日、折角メアド教えてもらったのにメールするの遅くなってごめんなさい(x_x;)
これが私のアドレスなので良ければ登録して下さい(*^∀^*)

今日も練習頑張りましょうね!

-END-




「昨日家ば帰る途中、苗字さん見かけたきにーメアド教えてもらおうとしたんじゃが携帯忘れた言うきにわしのアドレス教えたぜよ」

「「「……………。」」」

「ん?どうかしたがか?」



こんなの不条理だ!



(辰馬テメーなに俺よりさきに苗字さんのメアドゲットしてんだよ!!)
(いだだだ!禿げる!禿げるぜよ金時!)
(銀時だ馬鹿野郎ォォォォオ!!)


090330

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