ダンボールの中身は金高の奴らが来るからと先生達が気を効かせ剣道部に差し入れとして買ってきたスポーツドリンクだった
練習が終わって今、お互いのマネージャーが一人一人にそれを配っている



「はい、銀さんお疲れ様!さっちゃんの愛が沢山入ったドリンクだゾ!」

「普通のスポーツドリンクをくれ、お前の愛情とか要らないから」



俺はお前より向こうのマネージャーに配って欲しかっ………って何考えてんだ俺
もしかして惚れた?
いやいやいやいや!あんな笑顔一つで誰が惚れるかよ
俺はそんなに惚れっぽくないはずだ自分を信じろ銀時!



「おい苗字」

「はーい」

「腹減りやした」

「部活終わるまで我慢してね」

「今何か食いたいんでさァ」

「そんなこと言われても…」

「チッ使えない奴でさァ、山崎ィィィィイ!!焼きそばパン買って来なせィ」

「え、俺ですか!!??」



へー…あの子苗字さんって言うんだ……ハッ!また気にしてる!しっかりしろ銀時!



「向こうのマネージャーよりうちのマネージャーのが胸あるな」

「高杉くんんんんん!!!???キミはそんないやらしい目で苗字さんのこと見てたの!?」

「はぁ?」

「じゃが向こうのマネージャーもなかなかスタイルいいぜよ、わしはあのくらいの胸の大きさが好きじゃ」

「毛玉ァァァァア!!!テメーその色眼鏡割るぞコラァァァァア!!!!」

「銀時何を騒いでおるのだ」

「うっせーな!!テメーはそのヅラ取れよ!!」

「貴様いい加減訴えるぞ!!」

「銀さん!さっちゃんも罵って欲しいんだゾ!」

「くさっ!!ちょ、お前こっち来んな!!納豆臭い!」



スタイルいいとかどこ見てんだよコイツら!!
いや確かに苗字さんは出るとこ出て締まるとこ締まってて……ああぁぁあぁああぁ!!!気にしないとか言いつつ俺も何見てんだァァァァア!!!



「…えらい向こうの奴ら騒がしいな」

「あ、トシお疲れ様」

「おー」

「ねぇトシはあの白髪の人知ってる?」

「知ってるって…あいつ坂田銀時だろ馬鹿みてーにつぇって有名の。剣道やっててあいつを知らねー奴はいねぇんじゃねぇの?」

「ふーん…そっか」

「オメーも剣道部のマネージャーならそんくらい知っとけよな」

「はーい」

「何だ何だー名前ちゃん坂田が好きのか?」

「近藤さんコイツ今日まで坂田の存在知らなかったんだからそれはねぇよ」

「いや、一目惚れと言う恋の仕方だってあるぞ」

「違いますよー始まる前にドリンク持ってくるの手伝ってもらったからどんな人なのかなーって気になって」

「でも苗字、そういうのが恋に発展したりするんでさァ」


意識しちゃってください



(そんなもんかなー?)
(そんなもんでさァ)
(沖田さん焼きそばパン買ってきましたァァァァア!!)
(遅いんでさァもういりやせん)
(ぇえぇええっ!!??)

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