イヤァァァァアッ!!!!!

ギャァァァァアッッ!!!!

あ゛ぁああ゛ぁあぁあ゛あぁっ!!!!



「次の方お入り下さーい」





む、無理だっ!!!!


姉さん無理だよ!次の方お入り下さーいじゃねぇよ!断末魔BGMに何次のカップル地獄に導こうとしてんだよ!!
女の悲鳴だけならまだわかるよ?
けど明らかに男の野太い悲鳴が聞こえてんじゃん!どんだけ怖いんだよ!



「さ、坂田くん、次の次だよ」

「おおお、おう」



横にいる苗字さんを見ると自分から俺を誘ったわりに、さっきから絶え間なく聞こえる悲鳴の所為で怖くなったらしく冷や汗をかいている


俺達は今お化け屋敷の前で列に並んでいる
知らないカップル、土方と松平、俺と苗字さん順に並んでいる



「さ、坂田くん!置いてかないでね!一人にしないでね!置いてっちゃやだからね!」

「(きゅんっ!)ぜってぇ置いてったりしねぇから!」



俺がそう言うと苗字さんはふわっと笑った
…かっ、かーわーいーいー!!
置いてかないでね!一人にしないでね!置いてっちゃやだからね!…だって!!!
もうなんつーの?悶えるくらい可愛い!



「十四郎様震えてませんか?」

「ばばばば馬鹿野郎!これは武者震いだ…!」



ぷぷぷっ土方の野郎震えてやんの!
だっせーなオイ!



「次の方お入り下さーい」

「きゃー十四郎様怖いでございまするー!」

「おまっ、おば、あばばばば…!」



もう土方が何を言ってるのかわかんねぇ
本当にこえーのかは怪しい松平が土方の腕にへばり付く
土方はガッチガチになりながら松平に引っ張られお化け屋敷に入って行った



ギャァァァァアッ!!!!

ちょっ、十四郎様ァァァアッ!!!



お化け屋敷から土方の悲鳴が聞こえてきた
何があったんだ土方…



「トシ大丈夫かな……」

「さ、さぁ?」

「あ、あのね!」

「ん?」



苗字さんは頬を薄く染め下を向いてもじもじしだした
なんだなんだ可愛いな
ちょっと俺のマグナムが反応しそうなんですけど!



「その、怖いから、その…て、ててて!」

「て?」

「て、手ぇ繋いじゃ駄目、かな…?」

「…ぶふぉっ!!」

「さ、坂田くん!?鼻血が…!」



苗字さん!潤んだ瞳+上目遣い+桃色の頬は兵器だよ!!反則だよ!
俺今日は苗字さんの上目遣いにヤられ過ぎじゃね?
そしてなんて可愛いく幸せなお願いなんだ!
願ったり叶ったりなんですけど!遊園地マジックなんですけど!
ちょ、鼻血が止まんない



「あの、坂田くん?」

「繋ぎましょう!いや、繋がせて下さい!」

「ホント!?よかったー!断られたらどうしようかと思ったよ」

「そんなね、うん(俺が苗字さんのお願い断るわけないでしょうォォォオ!!!)」

「えへへっ!」

「あははっ!」



Let's go Haunted house!



(スタンドでもなんでも来いやァァァア!!!今の俺は無敵じゃコラァァァア!!!)
(坂田くん頼もしいね!)
(次の方お入り下さーい)

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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