部活中。俺は練習もそこそこにヅラの腰に抱きついている



「マジでお願い!300円あげるからァァァァア!!!」

「要らん!離せ!」

「諦めるしかあるめーよ」

「うっせ!黙れ鬼太郎!」

「サボればいいじゃろ」

「ばっきゃろー!!俺はいいよ?俺はいつでもサボる気満々だよ?けど苗字さんがサボると思ってんのか!!毛玉コノヤロー!!俺より先に苗字さんのメアド手に入れたからって調子のんじゃねぇぞコラ!」

「まだ根に持っちょったんか」



俺が何故こんな長髪ヤローに抱きついてるかと云うと、今週の日曜日に部活を休みにしてもらうためだ
俺は苗字さんを遊園地に誘い日曜日に一緒に行きたいんだよ!!



「離せ!だいたい今は金高も一緒にやているのだ!俺達だけが休むわけにはいかん!」

「んだよ頭かてーな!!ちょっと向こうのゴリラに相談したら両校休みにくらい出来んだろーが!!」

「そんなわけにいか…」

「桂くーん」



ぎゃあきゃあ騒いでいると向こうから苗字さんがパタパタと可愛いらしく走って来た
それで桂じゃなく坂田くんと呼んでいたら思わず苗字さんをぎゅうってしちまいそうなくらい可愛い
まぁ俺にそんなこと出来ねーけど



「ん、どうした苗字さん」

「あのね、トシが今週の日曜日に用事があるから休みにしてほしいらしいんだけど、銀高がやるのに金高が休みって云うのが気にくわないみたいで…その、銀高も休みに……」



チャーンスッ!!!
これは絶好のチャンスだぞ銀時!



「休みな!休み!今週の日曜日は両校休み!」

「しかし、」

「うっせーなボケ!休みっつったら休みなんだよ!!」

「で、でもいいの?坂田くん達練習やりたいんじゃ…」

「全然!まったく!毛ほどもやりたくねぇよ!なぁ高杉辰馬!?」

「あ?あぁ、(話聞いてなかった…)」

「わしもどっちでも良かー」

「はい、決定休み!ヅラも諦めろ!日曜日は休みだ!」

「……仕方ない」

「いいの!?ありがとう!」

「(きゅんっ)」



あぁもうそんな嬉しそうに笑っちゃって
これで一緒に遊園地行けたら…



「苗字さん」

「なあに?坂本くん」

「このあいだ遊園地行きたい言うちょったろー銀時が遊園地のチケット二枚持っちゅうんやけど…」



辰馬はちらっと俺を見た
た、辰馬様ァァァァア!!!
なんだお前!!俺が誘いやすいようにしてくれたのか!!
しかもチケット貰ったのお前なのに俺がチケット持ってるって……辰馬様ァァァァア!!!!



「そうなんだーいいなー」

「え、あ、あの、苗字さん!」

「はい?」



やべーな、
手に変な汗かいてきた
俺の後ろでアホ三人がわくわくした感じで俺の言葉を待ってるのがわかった
テメーら空気読んでどっか行けよ!
あぁあぁああ!!!頑張って俺!
ただちょっと一緒に遊園地行きませんか?って言うだけじゃん!
ちょっと買い物行って来てみたいなノリで誘えば大丈夫だって!
うぉぉお!!!燃えろ俺のコスモォォォォオ!!!!



「お、俺と、いいいい一緒に遊園地行きませんか!!??」

「わーいいの!?」

「へ?」

「わーい!遊園地なんて久しぶりだー!」

「え、あ、あの…いいの?」

「え?ダメなの?」

「いや!いいんだよ!うん!あ、あはははは」

「ふふふ」

「アハハハハハ」



嫌に緊張してどもりまくったくせに案外すんなりいった
苗字さんは目を輝かせて喜んでいる
とりあえず苗字さんが喜んでくれるならこんな緊張も悪くない



ミッション2
君と僕と遊園地!



(いつ行くのー?)
(今週の日曜日なんてどうでしょうか…)
(わかった!えへっお洒落して行くね!)
((きゅんっ))


090412

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